壊れたスマホは「交換」よりも「修理」 iCrackedがPixelの正規修理を開始した理由:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2022年10月15日 09時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

保証と修理をセットで提供、キャリアも巻き込み修理事業を拡大

 このあんしん保証パックネクストをソフトバンクやiCrackedと共同で手掛けてているのが、米SquareTradeの日本法人であるSquareTrade Japanだ。同社は保険商品を提供する企業。実は米国では、このSquareTradeが2019年にiCrackedを買収している。修理サービスの名称も、iCrackedから「SquareTrade Go」に変更した。iCracked Japanは現在も存続しているが、日本でもSquareTrade Japanが傘下に収めている。

 現状、保証サービスはリフレッシュ品に交換するサービスが主流だ。特にAndroidはその傾向が強い。木戸氏も、かつてドコモの「ケータイ補償サービス」などを手掛けるアシュリオン・ジャパンで社長を務めた人物だ。では、なぜSquareTrade Japanはあんしん保証パックネクストで、iCrackedによる修理を可能にしたのか。木戸氏は、「店頭修理のニーズが非常に強くなっている」としながら、次のように語る。

iCracked SquareTrade Japanの木戸CEO。保証と修理の組み合わせは、世界的な潮流になっているという

 「保証と修理を組み合わせて提供するのは全世界で主流になっている、交換がこれまでの保証のメインだったが、お客さまにとっては、目の前で修理した方が圧倒的にいい。新しい端末が出ても、そこまで大きくは変わらなくなった。既存の端末をそのまま使い続けたい思いが強い。そうなると、交換よりも修理のニーズが強くなってくる」

 実際、冒頭で挙げたようにサムスン電子はGalaxyの店頭修理を開始しており、一部のドコモショップ店内にも拡大している。木戸氏は「ドコモもGalaxyの修理をやっているように、流れはだんだんとそちらの方向に向かっている」と語る。ソフトバンクとあんしん保証パックネクストを提供できたのも、「それ以前からiCrackedで店頭修理をやっていたことが後押しになった可能性がある」といい、傘下に修理店を持っていることが強みになったようだ。

iCracked ソフトバンクは、5月にあんしん保証パックネクストを開始。PixelをiCrackedで修理した際の代金も無料になる。他社にはないサービスで、ソフトバンクでPixelを購入するメリットといえそうだ

 一方で、現時点では「ソフトバンクと始めたばかりで、そこに注力している」といい、Google自身が販売するオープンマーケット版や、同じくPixelシリーズを取り扱うKDDIへのサービス提供は検討していないという。先に述べた通り、ハイエンドモデルだと修理代は高額。KDDIには「紛失故障サポート」があるものの、iCrackedでの店頭修理には対応していない。サービスをどう拡充していくは、GoogleやKDDIにとっての課題といえる。

 「経済的に見合うかどうか」(福島氏)のハードルはあるが、iCrackedでは正規修理を請け負うメーカーのバリエーションを広げる方向性を模索しているという。「部材がなく、お帰りいただくのはよくないので、(Pixelでは)全店にパーツを置いている。これをやるとなかなかの投資になるので、ボリュームも含めて慎重に検討していきたい」(木戸氏)。一方で、「店頭修理の重要性は徐々に高まってきている」。実際、スマートフォンが高額化する中、保証サービスをセットにした店頭修理はメーカーや端末の売りになりつつある。iCrackedの次の一手にも注目したい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月12日 更新
  1. ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か (2026年10月09日)
  2. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  3. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  4. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  5. 楽天モバイル、KDDIローミングが大幅に縮小――ユーザーに対する説明責任はないのか (2026年10月11日)
  6. 10月1日から楽天モバイルの「au 4G LTEエリアローミング」が縮小も意外と残っている件 (2026年10月10日)
  7. POCO F9 Ultraのベースモデル「REDMI K100 Pro Max」はバッテリー容量とカラバリに違いがある (2026年10月11日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. 【ワークマン】4900円の「アーバンライトバックパック」 豊富なポケットやナスカン&バックル付き (2026年10月11日)
  10. 「iPhone 18 Pro Max」を試して分かった進化と課題 想像以上に“使えた”可変絞り搭載カメラ (2026年10月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー