Pixel Watch本音レビュー 使って分かった「気に入ったところ」と「困ったこと」(1/3 ページ)

» 2022年11月14日 14時00分 公開
[井上晃ITmedia]
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 Googleは10月13日に、Pixelブランド初となるスマートウォッチ製品「Pixel Watch」を発売した。本稿では、同製品の概要をおさらいしつつ、実際に筆者が購入して使ってみた上での本音をお届けしたい。

Pixel Watch Pixel Watch

Pixel Watchに関係する市場背景について

 まず、製品の背景についておさらいしておこう。Googleはこれまでも、スマートウォッチ向けのOSである「Wear OS by Google(旧Android Wear)」を提供してきており、ソフトウェア面ではスマートウォッチ製品に深く関わってきていた。Android Wearがリリースされたのも2014年のことで、実はAppleのwatchOSよりも先に市場に登場していた。

 しかし、Wear OS(旧Android Wear)搭載のハードウェアをGoogle自身のブランドとして積極的に展開してきたわけではなかった。そういう意味で、今回の「Pixel Watch(ピクセルウォッチ)」は初のGoogle製スマートウォッチとして注目されている。

 一方、スマートウォッチ市場でトップシェアを誇るAppleは「Apple Watch」シリーズを2015年から販売しており、2022年には第8世代目の「Series 8」が発売された。後発として約7年半の後れを取り戻すのはGoogleとて容易ではない(さらに言えば、市場には、Garminや、HUAWEI、Galaxyなどの競合もあふれているし、Wear OS搭載モデルとしてもFossilのOEM製品などが多数展開されている状況だ)。

 そんな状況に対応するためか、Googleは2021年1月に米Fitbit(フィットビット)を買収完了した。Fitbitはスマートウォッチ市場においてAppleに次ぐシェアを獲得しているブランドであるため、その資産がPixel Watchでも発揮されると見込まれていた。

 ただし、Fitbit製品はWear OS搭載ではなく、同社の独自OSで駆動していた製品。こうした事情か、あるいはブランドの既存顧客を配慮してかは分からないが、買収後もFitbit製品は「Fitbit」ブランドのまま継続的に提供されている。

Pixel Watch Pixel Watchのアクティブバンド

 こうした背景を意識しながらPixel Watchを眺めてみると、OSにはWearOS 3.5が採用されているものの、そのハードウェアデザインには、どことなくFitbitシリーズの影響を受けていそうな箇所がある。例えばストラップバンドのデザインや、薄型の本体設計、ボタンやスピーカーの配置などの設計には、どことなく「Fitbit Sense 2」などと類似点があるようにも思える。

 また、ソフトウェアやサービスに関しても、例えばFitbitが展開してきた有料サービス「Fitbit Premium」をPixel Watchでも利用できるなど、Fitbit買収で得た資産が生かされている。

 そんなPixel Watchの価格は、Wi-Fiモデルが3万9800円(税込み、以下同)、4G LTEモデルが4万7800円であり、競合のApple Watchシリーズの廉価モデル「SE(第2世代)」(3万7800円〜)並みの価格設定であることからも、市場においても価格面での競争力は高いと思われる。

 ただし、Pixel WatchはAndroid 8.0以上の端末でしか利用できない(※ただし、ペアリングしたAndroid端末経由でFitbitアプリに蓄積したデータ自体などは、iPhoneからも確認できる)。Apple Watchは基本的にiPhoneとのみペアリングできる製品なので、そもそも想定利用者が異なる。購入検討者にとって、単純に両者を比較する意味は、特殊な場合を除き、実はさほどないといえる。

本体デザインやUIはとても好印象

 Pixel Watchのデザインは、Googleらしいこだわりが詰まったものになっている。「Material Design(マテリアルデザイン)」の系譜が好きな人ならば、きっと気に入るだろう。

 ケース部分は円形であり、本体の側面や裏側にはリサイクル素材のステンレススチールが採用されている。Apple Watch SEなど、Apple Watchの普及価格帯ではアルミニウムが使われていることを考えると、4万円弱のスマートウォッチでステンレス素材の光沢感・高級感を身にまとえるのはそれだけでお得感がある。

Pixel Watch ケースサイズは直径41mm
Pixel Watch ケースの厚みは12.3mm

 ボタンは3時位置にシンプルなリューズがある他、2時位置にもう1つのボタンが配置されている。特に2時位置のボタンはやや裏側に近い角度で配置されており、表からはほぼ視認できないようにもなっている。引っ掛かりやエッジもほぼないため、ワークアウトでもライフログ目的でも、安全に使えるのは良い。

 ディスプレイベゼルは太めだ。仕様としては記載されていないが、手元でざっと計測してみるとおよそ幅4mmといったところ。ディスプレイには有機EL(AMOLED)が使われていて、深みのある黒色が再現されているため、ベゼル部分と黒く表示された文字盤の余白はシームレスになじむ。このあたりのデザインはかなりこだわられていると思う。

Pixel Watch アナログ文字盤を適用した様子。ここまでシンプルな文字盤でも絵になるのは、ケースの設計をしっかりこだわっているからこそだ

 文字盤は複数種類を選べるが、筆者のお気に入りは「アナログ」だ。カラーはさまざまにカスタマイズでき、黄緑の「洋梨」が気に入った。コンプリケーションをあえて非表示にすれば、バータイプの長針・短針だけが表示された状態になり、黒の美しさが引き立つからだ。一方、スマートウォッチながら色域はDCI-P3に対応しており、映し出される色も鮮やかで、メリハリがあって美しい。カラーでの常時表示にも対応しており、ファッションアイテムとしての役割もしっかりこなせる。

Pixel Watch バンドを脱着する機構

 アクティブバンドの素材は、Apple Watchのスポーツバンドなどをはじめ、競合製品でもよく見かける「フルオロエラストマー」だ。ただし、Apple Watchのそれと比べると、やや硬めに調整されていると感じる。例えば、ケースとバンドの結合がやや「ハ」の字型の向きになっていることもあり、机上に平置きするとケース部が浮いてしまう。

 バックル部分は先の平らなピンをホールに指して固定する仕組みだ。前述した通り、Fitbit Sense 2などのバンドと構造的な類似点が多い。現状はアクティブバンドしか選択肢が用意されていないので、バリエーションは少ないが、第1弾ということで仕方のない部分だろう。今後バリエーションが増えていくことに期待だ。

 また、バンドをケースに脱着する機構も、本体デザインを損なわないように、よく練られている。バンドを外す際にはバンドの横にあるボタンを押下しながら、ボタン側にバンドをスライドさせればよい。一方、バンドでボタンを押し込みながらそれとは反対にスライドさせると再びバンドを装着できる。文字にするとややこしいが、実際の操作はシンプルで分かりやすい。

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