安いだけだと痛い目にあう? 中古スマホでiPhoneよりAndroidの方が“ワナ”が多い理由(1/2 ページ)

» 2023年01月12日 10時00分 公開
[はやぽんITmedia]

 携帯電話の価格高騰が続いており、ハイエンド機では10万円を超える設定はもはや当たり前になっている。その一方で、安価にスマートフォンを購入する手段として中古での購入が挙げられるが、中古でAndroidスマートフォンの購入を検討しているのなら、注意すべき点が多い。今回はAndroidの特性も踏まえた、中古スマホ購入の注意点をまとめた。

中古なら3年前のハイエンド機種が3万円台で手に入る

 まず、中古スマートフォンで購入すべき価格の目安を考えたい。中古スマホを購入する際の予算として、1つの基準が「3万円」となる。おおむね3年前のハイエンド端末や2021年販売のミッドレンジ端末がこの価格帯で流通している。

中古Androidスマホ 「Galaxy S10」の中古価格(2022年12月時点のゲオオンラインストア)
中古Androidスマホ 「AQUOS R3」の中古価格(2022年12月時点のゲオオンラインストア)
中古Androidスマホ 「Xperia 1」の中古価格(2022年12月時点のゲオオンラインストア)

 2019年に販売されたハイエンド端末では「Galaxy S10」や「AQUOS R3」「Xperia 1」といった5G対応前夜ともいえるラインアップとなる。このあたりの機種は現在2〜3万円前後で販売されるミッドレンジの機種と比べても性能的に劣らないため、体感的な動作でも満足できるユーザーもいるはずだ。

中古Androidスマホ 「Google Pixel 4a」の場合
中古Androidスマホ 「OPPO Reno5 A」の場合

 ミッドレンジを見てみると2020年から2021年にかけて販売された機種が目立つ。「Pixel 4a 5G」や「OPPO Reno5 A」など、2021年に注目された機種もあり、これらも比較的手ごろな価格で販売されている。

中古端末はOSのアップデートやサポート期間に注意

 中古スマートフォンを購入するにあたって注意すべき点は、OSアップデートをはじめとしたサポート期間だ。長期のアップデートが特徴のiPhoneと異なり、多種多様なメーカーから販売されるAndroidスマートフォンはこのサポート期間にも差がある。

 OSバージョンのアップデートについてはハイエンドでおおむね2回、近年ではミッドレンジでも2回のものが出始めている。中古購入で2年落ちであれば、基本的にOSのアップデートはないものと考えていいはずだ。ミッドレンジではメーカーの差が激しく、AQUOSシリーズのように2回のバージョンアップを明言するものもあるがまだ少数だ。

 中古のハイエンド端末の場合、先に挙げた機種も発売から年数が経過していることもあって、バッテリーや画面が劣化している可能性もある。必要に応じて修理することも可能だが、発売から年数が経過した機種はキャリアの修理サービスの対象外になる可能性があるのだ。

中古Androidスマホ 「Galaxy S10」の場合
中古Androidスマホ 「AQUOS R3」の場合
中古Androidスマホ 「Xperia 1」の場合

 Android 12へのアップデートが行われたGalaxy S10は2024年8月までは修理受付可能だが、アップデートが行われなかったAQUOS R3は2024年4月、Xperia 1は2023年12月までとなっている。この期間以降は中古で購入してキャリアに持込修理を依頼することができなくなってしまう。いずれもドコモより販売された機種となる。

 また、アップデート状況はキャリアによっても異なる。例えば、ソフトバンクから販売された「Xperia 1 802SO」はAndroid 11へのアップデートが行われていない。OSが古いままだとAndroidの新しい機能が利用できないことに加え、将来的にアプリのサポート対象外になる可能性もある。修理受付も2023年2月末をもって終了することもあり、ドコモやauよりも安価に販売されているが、長く使うのならこうした機種はあまりオススメできない。

中古購入の際はスマートフォンの利用制限(赤ロム)に注意

 中古スマートフォンでは、突然セルラー通信(SIMを入れての通信)が使えなくなる制限がかかることが、ごくまれにある。

 いわゆる判定△(代金分割中)のものは前ユーザーの未払いからその可能性もあるが、判定〇の支払い済みでも前ユーザーが紛失対応をした場合や、何らかの理由で前の利用者情報が差し押さえられた場合などは赤ロムになってしまう。

 これは購入者としては防ぎようがないので、ゲオモバイルなどの赤ロム保証を行っている店舗にて購入することが安全だ。筆者も中古端末は過去10年で100台ほど購入したが、赤ロムとなったものは1台だけであったので、かなりのイレギュラーといえる。それでも100%防ぐことは難しいので、このような補償を行っている店舗での購入が安心感も得られる。

契約キャリアと端末の対応バンドが合っているかを確認しよう

 「今使っているキャリアで利用できるかどうか」も気になる点だ。iPhoneは購入したキャリアに関係なく、世界中の幅広いエリアで使えるバンドに対応しているが、Androidスマートフォンの対応バンドは機種によって大きく異なる。

 同じ機種でも販売キャリアごとに最適化してある関係で、通信キャリアによっては「電波のつかみがよくない」といった相性問題があるのだ。また、バンド上対応していても、これらの機種は販売したキャリア以外で利用するとキャリアアグリゲーションなどに非対応のものもあり、通信はできても速度や安定性では一歩劣る場合がある。

 使っているキャリアと同じキャリアで販売されていたものを購入するのがベストだ。ドコモを利用しているなら、ドコモ版の機種を購入すれば、このような相性問題は起こらない。

 ミッドレンジでは、キャリアを介さないオープンマーケットモデルも中古で目にするようになった。これらの機種は複数キャリアでも利用できるように多くの周波数に対応している傾向がある。また、現行モデルは一律でeSIMに対応しているiPhoneと異なり、AndroidスマートフォンではeSIMに対応しているものは少ない。eSIMでの利用を検討している方は要注意だ。

 キャリア向けでも多くの周波数やeSIMに対応した機種もあり、Google Pixel 4a 5Gはソフトバンク向けでも多くのバンドとeSIMに対応している。Pixel 6aの発売もあって中古流通も増えてきている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月17日 更新
  1. 資さんうどんが「PayPay」の取り扱いを停止 他のキャッシュレス決済は引き続き利用可能 (2025年12月16日)
  2. ドコモ、“スマホ新法”の詳細は「公取委に問い合わせて」 施行前に自社サイトで案内 (2025年12月15日)
  3. 500ポイントもらえる「東京アプリ」のテストに参加する方法は? 1.1万円相当のポイント付与に向けた最終検証がスタート (2025年12月15日)
  4. ベルキン、Apple Watch用急速充電プラグとUSBケーブルを内蔵したモバイルバッテリー発売 (2025年12月15日)
  5. 6.83型の大画面と6500mAhのバッテリー搭載「Xiaomi POCO F7」がタイムセールで4万5980円に (2025年12月16日)
  6. 3280円のドコモ純正スマホポーチ 日用品も収納でき、多機能フックも搭載 (2025年12月16日)
  7. しなの鉄道が2026年3月14日から「Suica」に対応 「モバイルSuica定期券」も購入可能だが“トレードオフ”も (2025年12月15日)
  8. “NHK受信料”の督促に温度差 警察には「丁寧な周知」も、国民には「法的措置」 (2025年12月14日)
  9. 公共の場所でスマートウォッチに話しかけられますか? 「Pixel Watch 4」のGeminiで感じた“利便性”と“羞恥心” (2025年12月15日)
  10. 「ゆうちょPay」2026年末に終了 “特色”を十分に発揮できず、開始から約7年で幕引き (2025年12月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー