冬本番。通勤通学時の電車やバスを待つ、ほんのわずかな時間でも指先が冷える季節となりました。特に1月下旬から大寒波が日本列島を襲い、例年よりも寒い日々が続いています。
とはいえ、今では百均でも販売されているほど、スマホ対応手袋が市民権を得ています。使わない手はありません。スマホ対応手袋と普通の手袋、何が違うのでしょうか。また、選ぶ際や購入後に気を付けたいことに何があるでしょうか。
一般的に、スマートフォンなどのモバイルデバイスには、静電容量方式のタッチ操作対応ディスプレイが搭載されています。これは、ディスプレイと導電性物質との間に発生する微弱な静電容量(電気容量とも)の変化をセンサーが読み取って、その動きで操作するものです。人間の体は電気を通すので、指を使って操作できるというわけです。
通常の手袋では、羊毛や化学繊維、皮革といった絶縁体を素材としており電気を通しません。そのため、手袋を着けているとスマホの操作ができないのです。
しかし、スマホ対応手袋には、指先に導電性のある素材が使われています。例えば、金属やカーボンブラックなど導電性の高い物質を化学繊維に混ぜたものや、金属を線維化したものなどです。そのおかげで、指とディスプレイの間を静電気が通過し、タッチ操作を行える、というわけです。
種類が豊富なスマホ対応手袋を選ぶ際は、何に気を付ければよいでしょうか。
寒い中でもスマホを操作したいと思うからには、それなりの理由があることでしょう。ナビを使いたいのか、調べ物をしたいのか、はたまた逃せないイベント開催中のゲームをプレイしたいのか……。
ナビや調べ物であれば、感度以上に暖かさを重視したいと考えるかもしれません。しかし、ゲームをプレイするのであれば、操作性の高いものを選びたいと思うことでしょう。
スマホ対応手袋の多くは、全ての指の先端に導電繊維が使われているわけではありません。タッチ操作に対応する指が限られているのです。
普段、中指を使って文字入力をするのに、親指と人差し指だけに導電繊維を使用しているものを選んでしまっては、使いづらいと感じることでしょう。
また、音ゲーをプレイしたい場合などでは、10本全ての指先がタッチ対応のものを選びたい、もはやスマホ対応手袋とはいえなくなってしまいますが、指先だけフリーになっている穴開きタイプにしたいと考える人もいるかもしれません。
ファッションに合わせることも大切ですが、用途も想定して選ぶようにしましょう。
電気を通しやすい素材としてすぐに思い浮かぶのは「金属」です(もちろん、電気抵抗が高く、通しにくいものもあります)。とはいえ、金属アレルギーにかかる人が増えてきているといわれています。
指輪や金属製の時計バンドなどでかぶれた経験のある人は、カーボンブラックなど、非金属の導電繊維を使ったスマホ対応手袋を選ぶようにしましょう。
指とディスプレイの間で静電気を通すことでタッチ操作が可能なスマホ対応手袋。指と導電繊維との間にスキマができていては、うまく反応しなくなってしまいます。逆に、小さいものを選んでしまうと、伸びることで導電繊維の密度が低くなり、こちらもうまく反応しなくなる可能性があります。
自分の指先にフィットするかどうか試着してから買いましょう。通販を利用する場合は、手のひら周りや指の長さなどが明記されていれば安心ですね。
せっかく自分にぴったりなスマホ対応手袋を選んだのに、反応してくれないということがあるかもしれません。そのような場合は、次の点をチェックしてみましょう。
スマホ対応手袋であっても、ディスプレイの保護フィルムとの相性が悪く、うまく反応しないかもしれません。素手であっても、保護フィルムが原因でタッチ操作しにくくなることもあるからです。
指先とディスプレイの間に導電繊維を挟むため、どうしても静電容量が微弱になってしまいます。指先が汚れているような状態でますます弱まり、そのため反応しないのかもしれません。
2シーズン目に「使えなくなった」ということがあるかもしれません。この場合は繊維の劣化が考えられます。
これを防ぐには、洗うときには「中性洗剤で手洗い」を徹底することです。漂白剤、柔軟剤の使用、さらに乾燥機にかけることなどは、繊維の劣化を早めてしまいます。
いずれにせよ、どんな手袋でも漂白剤に漬ける、乾燥機にかける、という行為は製品を痛めることです。手袋が汚れてしまったら、購入時についてくる洗濯表示のタグの指示通りに処置しましょう。
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