楽天モバイルの“新料金プラン”を解説 不可解な「Rakuten Turbo」と明快な「法人プラン」(1/3 ページ)

» 2023年01月28日 10時15分 公開
[石野純也ITmedia]

 たった1つの料金プランというシンプルさを売りにしていた楽天モバイルだが、それだけでは全てのユーザーや利用シーンをカバーできなかったようだ。1月26日に、同社は相次いで新料金プランを発表した。1つが、固定回線の代替としてモバイル回線を使う際のホームルーターに適用される「Rakuten Turbo」。もう1つが、以前から予告していた法人向けプランだ。同プランは、楽天グループの代表取締役会長兼社長、三木谷浩史氏が楽天市場の出店者が集う「楽天新春カンファレンス」で正式発表に先駆けて披露した。

楽天モバイル 楽天モバイル初のホームルーターが登場。この端末に対応した新料金プランも発表された
楽天モバイル 楽天新春カンファレンスで、三木谷氏は法人向けの新料金プランを先行発表した。正式発表は1月30日になるという

 ユーザー別、用途別に料金プランを分けるのは、他のキャリアでは一般的だが、楽天モバイルでは初めてのこと。ポジティブに見れば、事業を拡大する構えができつつあるといえる。ただし料金体系を見ると、現行の「UN-LIMIT VII」と比べ劣っている部分があるのも事実だ。特にRakuten Turboは、率直に言うと、その競争力に疑問符がついた。一方の法人向けプランは、楽天グループの取引先に訴求できる可能性がある。その理由を見ていこう。

楽天モバイルがFWAに参入、ただしその価格は……

 26日に発表した新料金の1つ目が、ホームルーター用のRakuten Turboだ。これは、楽天モバイルが自社ブランドの製品として発売する「Rakuten Turbo 5G」を使用するための料金プラン。「FWA(Fixed Wireless Access)」と呼ばれるカテゴリーのサービスで、ルーターは家の中に固定する。モバイルWi-Fiルーターとは異なり、屋外に持ち運んで移動させないのが前提だ。そのため、端末にはバッテリーを搭載していない。楽天モバイルによると、Rakuten Turboは基本的にRakuten Turbo 5G用の料金プランになり、SIMカードを差し替えても他の製品では利用できないという。

楽天モバイル Rakuten Turboは、CPEというジャンルのホームルーター。基本的には、家の中に設置して利用する機器で、持ち運びが前提のモバイルWi-Fiルーターとは用途が異なる

 契約には住所登録が必要になる。これは、ホームルーターが固定回線に近い位置付けになっているためだ。ユーザーには特にメリットがない仕組みだが、制度上、モバイル回線とは別扱いになるため、一部の規制が適用されなくなる。端末購入補助は、その1つだ。現状、スマートフォンや携帯電話は回線契約にひも付く割引が2万2000円(税込み、以下同)までに制限されているが、ホームルーター扱いになると、この規制の対象外になる。他社のケースでは、端末の本体価格が一括0円になり、かつ回線にも割引が適用されることがある。

 Rakuten Turboの料金は、3年間3685円。4年目以降は4840円になる。3年間、1155円の割引を受けられる計算だ。ただし、ホームルーターであるRakuten Turbo 5Gの代金もかかる。こちらの価格は4万1580円。24回払いだと月々1732円、48回払いだと月々866円の支払いが発生する。料金割引キャンペーンが36カ月、端末の割賦が24カ月か48カ月で期間がズレているため直感的に分かりづらいが、割引額の合計はピッタリ4万1580円。3年間の利用で端末代が丸々相殺されるというわけだ。

楽天モバイル 料金は4840円だが、3年間割引がついて3685円まで下がる。ただし、これとは別にホームルーターの代金が必要になる。割引額でちょうど相殺される格好だ

 データ容量は無制限。楽天モバイルによると、公平制御などの仕様は、UN-LIMIT VIIと変わりないという。4840円という金額は、ホームルーターとして一般的な金額になる。例えば、ドコモの「home 5Gプラン」は、月額料金が4950円。この分野で先行してきたソフトバンクの「SoftBank Air」も、基本料金は5368円だ。auの「ホームルータープラン」は5170円。各社とも、データ容量は無制限に設定している。割引適用前の正規料金としては、楽天モバイルが最安といえる。

 一方で、通常の料金プランほどの圧倒的な金額差がないのも事実だ。UN-LIMIT VIIは、0円廃止が大きくフィーチャーされたが、20GBを超えた際の料金が他社と比べて大幅に安いのも事実。大手3キャリアの無制限プランは割引適用前で軒並み7000円を超えているため、UN-LIMIT VIIの3278円は半額以下だ。これに対し、Rakuten Turboは3キャリアで最安のドコモと比べると、わずか110円の差しかない。楽天モバイルは低コストでネットワークを構築し、ユーザーに安価なサービスを提供すること売りにしていただけに、率直に言えば「高い」という印象を受けた。

楽天モバイル ドコモのhome 5Gは、割引前の料金が4950円。Rakuten Turboより高いが、その差はわずか110円。スマートフォン向けの料金プランのような分かりやすい違いはない
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