―― 冒頭でお話しされていたように、最近は期間限定トッピングがさまざまな形で出ています。この目的を教えてください。
秋山氏 幾つかあります。一番大きいのは、そのときに応じてアプリを立ち上げ、トッピングがあることに気づいて体験していただくためです。そこまでヘビーユースではない方でも、1GBがあるなら買ってみようとお試しいただけることもあります。もう1つ、ビジネス的には、お客さまにとってどれがちょうどいいのかを試している側面もあります。これは興味がないんだな、このぐらいのデータでこのぐらいの期間なら買ってもらえるんだなというのを、セグメントや領域、利用帯ごとに試しているということです。
―― これはよかった、逆にそうでもなかったというのはありますか。
秋山氏 イマイチなのはあまりなかったですね。逆に、1GB使われる層に向け、それをちょっと拡大した90日3GBをやりましたが、あれは非常に好評でした。
―― 1週間使い放題はいかがでしょうか。
秋山氏 この前やったところですが、ものすごく好評だったかというとそこまでではありません。手堅く好評だったという感じです。こうやって試行錯誤していく中で、だんだん定番化していくものも出てくるのではないかと思っています。
―― 定番化しそうなものは、既にありますか。
秋山氏 何個かアイデアはあり、そのうち定番化してもいいと思っています。povoのトッピングは、基本的にコンビニの棚のようなイメージでやっています。コンビニに行けば必ずポテチはありますが、もっと人気ものがあったら並び替えたり、夏バージョンを期間限定でやったりというのはありますよね。それが時期を問わずに好評だったら定番化することもあります。
―― 1週間使い放題は、旅行や帰省の多い年末年始という季節性も意識していて面白いと思いました。
秋山氏 そこはすごく意識しています。やはり新しい商品を入れる、入れないは大ごとです。トッピングに関しては、購入時に契約行為が発生する形にしています。これは、期間限定で入れたり外したりすることがありえるからです。でも、20GBはずっとあるよねというのは信頼関係ですね。コンビニに行ったら定番のポテチがあるようなものです。
povo2.0は、基本料金が0円なので、お客さまに気に入っていただけないと料金は発生しません。契約期間があるわけでもないので、気に入ってもらえなければお客さまを逃がしてしまうだけです。僕らにも、都度満足いただける商品を出していかなければならないという緊張感があります。
―― 基本料0円ですが、ユーザーとしてはうれしい半面、やはりビジネスとして安定していない部分があり、楽天モバイルのように急にやめてしまわないか心配になります。本当に0円はサステナブル(持続可能)なのでしょうか。
秋山氏 細かいこと(収益構造など)は申し上げられませんが、大丈夫だと思っています。われわれの意思としてやめないのはもちろんですが、ビジネスモデルとしてもサステナブルです。2022年を振り返り、サステナブルだと自信をつけています。
―― それは、一定数お金を払ってくれるユーザーがちゃんといるということですね。
秋山氏 買っていただけていますし、ずっと使われてない方はお知らせしたうえでご解約いただくこともあります。ただ、お知らせすれば一定数の方に使っていただけます。また、期間限定トッピングのようなもので関係を作りながら、だんだんと使っていただけるようになっています。ベースはできたと思っているので、次のステップ、次の挑戦に行けるのではと思っています。ですから、(基本料0円は)やめる理由が見当たらないですね。
―― 一方で、バックアップ回線となると、トッピングしないで180日たってしまうことは多々あると思います。自分も先日180日超えて、回線が休止になってしまいました。復活の際にsmash.のトッピングを購入したのですが、最安だからという理由だけで買うのはちょっとした罪悪感もありました。自動で200円払うようなオプションは作れないのでしょうか。
秋山氏 まさに今、議論しているところで、これは何とかしたいと思っています。余計な罪悪感を持たれてしまうのは、決してヘルシーな形ではないからです。
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