KDDIの新ブランド「povo」が、基本料無料の新料金プラン「povo2.0」に進化を遂げてから、約2カ月半が経過した。基本料0円で、データ通信は使いたいときに使いたい容量を、都度トッピングするスタイル。1GB/390円から利用できるが、利用期限は月単位ではなく、例えば1GBなら7日間など、トッピングする容量によって異なる仕組みとなっている。そこで各トッピングをそれぞれ月単位に換算し直した場合、povo2.0は本当に安いのかを検証した。
povo2.0のデータトッピングをそれぞれ月単位に換算(四捨五入)すると、月額換算コストは以下のようになる。
音声通話のトッピングは以下の通り。
他に、使い放題プランや特定のコンテンツがカウントフリーになる下記のようなプランも用意されている。
利用期限が30日間、つまり1カ月の設定になっている990円/3GBのプランは、ソフトバンクの「LINEMO」と横並び。MVNOではOCN モバイル ONEの「3GB/月コース(音声対応SIMカード)」が同じ金額だが、NUROモバイル「VSプラン3GB」の792円など、さらに安価なプランもある。
同じく利用期限の設定が30日間となっている2700円/20GBのプランは、税込みでキリの良い金額になっている分だけ、LINMOの2728円/20GBより少し安い。一方で、5分通話かけ放題がセットになったドコモの「ahamo」(月額2970円)と、同じ5分以内通話かけ放題をセットにして比較すると、2700円/20GB+550円で月額3250円となって割高に。一方、楽天モバイルは20GBまでだと月額2178円となるため、4キャリアでは最も安い。
MVNOではmineoの「マイピタ(20GB)」が月額2178円の他、HISモバイルの「格安弐拾プラン」や、日本通信の「合理的20GBプラン」も2178円。この2つのプランには70分までの通話料が含まれているため、通話も含めて考えるとさらに安価ということになる。
なお、povo2.0の6490円(90日間)/60GBを1カ月に換算すると、2163円/20GBとなり、マイピタ(20GB)よりも安価になるが、20GBの最安料金のIIJmioの「20ギガプラン(音声)」は2068円とさらに安い。
ただしpovo2.0の1万2980円(180日間)/150GBを月額換算した場合と比べると、IIJmioは2163円÷20GBで1GBあたりの単価が約103円なのに対し、povo2.0は2163円÷25GBで約87円となって、1GBあたりの単価で比べると、povo2.0の方がコスパが高いことが分かる。
1万2980円(180日間)/150GBのトッピングは、一度に出ていく金額は大きいものの、MVNOと比較してもおトクな料金プランといえそうだ。ただしpovo2.0では余ったデータを繰り越すことができないので、大容量プランは利用期間内に使い切れるかどうかも、しっかり検討する必要がある。
一方で小容量の390円(7日間)/1GBのトッピングは、月額換算すると1560円/4GBとなり割高。1日だけ使い放題にできる、330円(24時間)/使い放題のトッピングは、月額換算にすると9900円となるが、当面の間は期間満了日の23時59分59秒まで利用できる。例えば12月1日に申し込んでも、12月2日の23時59分まで使えるため、半額の月4950円で使い放題になる。
【訂正:2021年12月23日20時00分 初出時、povo2.0の低速時の速度を「1Mbps」としていましたが、正しくは「128kbps」です。おわびして訂正いたします。また、330円(24時間)/使い放題のトッピングについて、実態と異なる記述があったため、訂正いたしました。】
使いたいときだけデータをサクッとトッピングして使えるのは、povo2.0だけの大きな特徴。買い物やサービスの利用で一定のデータ容量がもらえる「ギガ活」など、他にはない魅力的な付加サービスもある。専用アプリからの操作も簡単で気軽に利用できるが、トッピングをオンにする際には、最もデータ容量の大きい150GB/1万2980円(180日間)のプラン以外は、月額換算比でより安価なサービスが他にもあるということを、頭の隅にとどめておきたい。
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