Googleのロックハイマー氏も、サムスン電子と緊密に連携していることをアピール。「Google Meet」のフォルダブル端末向けカスタマイズや、RCS(Rich Communication Service)対応のメッセージサービスを紹介した上で、プラットフォーム側の協力関係としてサムスンのTizenとGoogleのWear OSを統合したことに改めて言及した。ロックハイマー氏によると、Tizenとの統合以降、Wear OSのユーザーは過去の3倍に増加しているという。
また、サムスンとGoogle、さらにQualcommは、3社が一丸となってXRを推進していくことを明かした。Googleはプラットフォーム側として、ARCoreを用意しており、QualcommはXRデバイス向けのSnapdragonに注力している。具体的な計画は明かされなかったが、これらを組み込んだデバイスが、サムスン電子から登場する可能性はありそうだ。ロックハイマー氏は、「次世代のXR体験を提供するには、最先端の高度なハードとソフトウェアが必要になる。だからこそ、サムスン電子やQualcommとの協業はとてもエキサイティングだ」と語る。
ゲストも迎え、3年ぶりのリアル開催にわいたGalaxy Unpackedだが、スマートフォン全体の市場が縮小している中、Galaxy S23シリーズがどこまで販売を伸ばせるかは未知数だ。Galaxy NoteをUltraとして復活させ、Galaxy Sシリーズのラインアップを見直した2022年に比べると、ややインパクトに欠けていたのも事実。Galaxy S23シリーズでもその戦略を踏襲しているため、見方によっては“マイナーチェンジ”とも捉えられる。実際、「Galaxy S23/23+」は、プロセッサなどを刷新している一方で、ディスプレイやカメラなどのハードウェアスペックについては「Galaxy S22/22+」から据え置かれている。
Galaxy S23 Ultraに関してはメインの広角カメラが2億画素へと高画素化し、画質は向上しているが、Sペンなど、その他の特徴はGalaxy S22 Ultra譲りの部分が多い。デザインも、ディスプレイのカーブが緩やかになるなど変化はあったものの、Galaxy S22 Ultraから大きく変わっているわけではない。機能面では最高峰の1台であることは間違いないが、フルモデルチェンジとは言いづらいのが実情だ。ハイエンドモデルにはイノベーションが求められるだけに、先行きに一抹の不安を覚えた。
とはいえ、3機種とも米国価格はGalaxy S22シリーズから据え置きで、ハイエンドモデルとしての競争力は高い。2022年から、サムスン電子は4世代のOSアップデートや5年間のセキュリティ更新を保証しており、買い替えサイクルが長期化する中、長く使える1台としての安心感もある。日本に展開するモデルやその価格はまだ明かされていないが、発表を期待したい。
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