Galaxy S22シリーズ、“普通のハイエンド”冬の時代にヒットするカギは?石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2022年02月12日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 サムスン電子は2月10日、フラグシップモデルの「Galaxy S22」シリーズを計3機種発表した。最上位モデルの「Galaxy S22 Ultra」は、S Penの収納が可能になった他、シリーズ共通の特徴として、AIを生かしたカメラ機能の強化が挙げられる。日本での展開予定は明かされていないが、例年通りだとすると、夏商戦向けの端末として登場する可能性が高そうだ。

Galaxy S22 サムスン電子は10日、「Galaxy S22」シリーズ3機種を発表した。写真は右からGalaxy S22 Ultra、S22+、S22

 同社は、Galaxy S22でSシリーズとNoteシリーズを統合。ユーザーエクスペリエンスの強化も図り、GoogleやMicrosoftのサービスを有機的に連携させている。クローズドなエコシステムを自ら築いて端末の使い勝手を高めるAppleに対し、サムスンはオープンなサービスを組み合わせることで、これに対抗する構えだ。同時に発表された「Galaxy Tab S8」シリーズからも、そのような狙いが透けて見える。

Galaxy S22 ハイエンドタブレットのGalaxy Tab S8シリーズも合わせて披露された

実態はNoteのリブランディング? 刷新したラインアップ

 2021年と同様、ディスプレイサイズの異なる「Galaxy S22/S22+」の2モデルに加え、「Ultra」の名を冠したGalaxy S22 Ultraを用意したサムスンだが、中身を見ていくと、それぞれの端末の役割が変化していることが分かる。特に大きく変わったのが、最上位モデルのGalaxy S22 Ultraだ。同モデルは、「Sシリーズとして初めてS Penを内蔵できる」(サムスン電子担当者)のが最大の特徴。AIを利用し、カメラの性能も大きく高めた。

Galaxy S22 Galaxy Noteの特徴だったS Penを完全に取り込み、本体に格納可能になった

 その生産性の高さから、ユーザーからも好評だったGalaxy Noteだが、2021年は新モデルが投入されていない。サムスン電子のMXビジネス部門で社長兼部門長を務めるTMロー(盧泰文)氏によると、「より多くのカテゴリーのデバイスに、もっとも愛されていたGalaxy Noteの機能を統合している」のがサムスンの戦略だという。

Galaxy S22 サムスンのTMロー氏によると、Noteの特徴だったS Penを他のシリーズに広げていくのが同社の戦略だという

 実際、2021年にはフォルダブルスマートフォンの「Galaxy Z Fold3 5G」が初めてS Penに対応。Galaxy S22 Ultraの前身ともいえる「Galaxy S21 Ultra 5G」も、本体に収納こそできないがS Pen自体には対応していた。また、タブレットでは、S Penが標準的に対応するようになった。Galaxy S22 UltraのS Pen対応は、その取り組みの一環といえる。

Galaxy S22 S Penに対応したGalaxy Z Fold3 5Gも、Galaxy Noteのスピリットを受け継いだ1台だ

 一方で、端末のデザインを見ると、実態はGalaxy Noteのリブランディングに近いことが分かる。背面に仮面のようにも見えるカメラユニットを配したGalaxy S22、S22+に対し、Galaxy S22 Ultraは4眼のカメラが直接本体背面に取りつけられている。上下のフレームが直線的なデザインになっていたり、ディスプレイがカーブしていたりするところも、Galaxy Noteをほうふつとさせる。

 本体の機能やデザインだけを見た人が、この端末をGalaxy S22の上位モデルと言い当てるのは難しいかもしれない。見方を変えると、Galaxy Zシリーズが主力製品になりつつある中、フォルダブルではないフラグシップモデルのラインアップをSシリーズにまとめて整理したというように受け取れる。Galaxy Noteにも、「+」や「Ultra」を冠するモデルがあったが、これらを「SシリーズのUltra」に一本化したというわけだ。

Galaxy S22 S Penだけでなく、デザインテイストもGalaxy S22、S22+とは異なるGalaxy S22 Ultra。実質的なGalaxy Noteの復活ともいえる

 Galaxy Noteの投入を見送った2021年は、Galaxy S21 Ultra 5GがGalaxy Noteにはなりきっておらず、ブランド移行の過渡期だったことがうかがえる。サムスンのロー氏が「これによって、Noteのレガシーの次の章を飾ることが可能になる」と語っているように、Galaxy Z Fold3 5GのS Pen対応やGalaxy S22 Ultraの投入をもって、Galaxy Noteというブランドに終止符を打ったと見てよさそうだ。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月14日 更新
  1. 誤爆で「ワインが20本も届いちゃう」 押せば注文できる“Amazon Dash Button ”とは何だったのか (2026年07月11日)
  2. スマホをタッチせずに改札もレジも通過 日本で広がる「UWBタッチレス決済」最前線 (2026年07月10日)
  3. ポケモンGOからNianticのロゴが消える 起動画面に「SCOPELY EXPLORE」、10周年の節目に (2026年07月12日)
  4. その使い方、発火リスクあります──モバイルバッテリーで真夏にやってはいけないこと INFORICHが啓発 (2026年07月13日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. スペックが同じに見えるNothingの「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」のカメラ 撮り比べて分かった“意外な違い” (2026年07月13日)
  7. ヨドバシカメラがまた“百貨店に進出” 池袋の次は“旧名鉄百貨店跡地”に、駅直結一等地 (2026年07月11日)
  8. 「060」携帯電話番号の提供延期の原因は? 林総務大臣が改めて説明 (2026年07月10日)
  9. スマホは本当に会話を「盗聴」して広告を出しているのか? 専門調査と最新事例から考える (2026年07月13日)
  10. ドコモFGが仕掛ける「グループ連携」と「金融AI構想」 通信との融合でKDDIやソフトバンクに追い付けるか (2026年07月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー