そもそも堀江氏と木野氏がタッグを組んだ理由は何か? 木野氏は「私が堀江さんの本を読み、ファンになったのがきっかけだった。エックスモバイル創業時も堀江さんに会いたいとメールを送ったところ、快く応じてくださった」と振り返った。
こうして生まれたHORIE MOBILE。木野氏は「携帯業界のLCC」と表現する。
その理由は木野氏の経歴とも関わってくる。木野氏はエックスモバイルの創業前、起業家に関するセミナーや勉強会に参加していた。そんな中、LCC(格安航空会社)でもある「エアアジア」の創業者、トニー・フェルナンデス氏と出会い、影響を受けている。その後、アジアやヨーロッパを巡り、世界の携帯電話市場の現実を学んだ木野氏は「日本の携帯代を半額にすること」を決意する。
つまり、これまでのエックスモバイルもHORIE MOBILEも、携帯業界のLCCというメッセージを掲げている点では大きく共通している。
堀江氏も日本の携帯電話料金の高さに触れる。「生活保護を受ける人の話を聞く機会があり、出費で最も多いのが携帯電話料金だった」
両氏の考えをまとめると、HORIE MOBILEでは単なる20GBプランにとどまらず、店舗サポートと付加価値の両方を重視したサービスでもあるようだ。従って必ずしも堀江氏のファンだけを囲いたいというわけでもなく、むしろエックスモバイルの良さとメディアへの露出が多い堀江氏が組み合わさることで、これまでにないサービスが誕生したといえよう。
これからの時代、20GBプランで戦うなら、他社とは違う付加価値をアピールし、さらに踏み込んだ安さを提供していく必要があるようだ。木野氏は「100円、200円の料金差だと、魅力を感じてもらえず、乗り換えてこない」とした上で、ユーザーが面白いと思うコンテンツを用意し、1日1000回線増やしていくことを目標にしている。MVNOで純増ナンバーワンを目指す」と話した。
堀江氏は「MNPの制度改正が発表され、新しいキャリアへ連絡するだけで、乗り換え作業がワンストップで済むようになる。また、これまでMNOにしか割り当てられていなかった電話番号がMVNOにも割り当てられるようになる」と、携帯電話業界の現状にも触れた上で、「他社からわれわれのサービスに乗り換えてくる見込みは十分ある」と意気込んだ。
今後の展開について、堀江氏はWeb3に関する内容も用意していることを明らかにした。サービスを使えば、仮想通貨がたまる、そんなイメージという。堀江氏は詳細について、「9日の発表時点ではまだ仮説の段階なので何とも言えない」としつつも、「3月16日に発表する」とした。
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