新生活を迎える時期になったが昨今の為替上昇などの影響により、スマートフォンの価格上昇が続いている。加えて携帯電話の値引き規制の関係もあり、以前に比べて安価に入手できる機会は少なくなってきている。
そのため、中古で安価に購入できる機種も含めて検討している方も少なくないはずだ。今回は中古市場でも売れ筋となっている「iPhone SE(第2世代)」が、実際にどの程度利用できるのか、新しい機種に比べてどの部分が苦しい立ち位置になっているのかといったところをまとめてみようと思う。
iPhone SE(第2世代)は2020年3月に発売されたスマートフォンだ。当時5万円からの価格設定ながらiPhone 8と同じサイズに最新のiPhone 11と同じプロセッサを採用したことで、多くのユーザーに注目された。一方、現在は中古なら3万円前後の価格で購入できる。
iPhone SE(第2世代)の性能としてはApple A13を採用し、この関係でeSIMも利用できるようになった。コンパクトながら性能的にも大幅に強化された機種となった。防水・防塵(じん)に加えて無接点充電にも対応。おサイフケータイもしっかり備えるなど、現在でも機能面の見劣りは少ない。
性能面も見ていく。iPhone SE(第2世代)はiPhone 11などと同じApple A13を採用している。2020年発売のスマホではあるが、当時のハイエンド性能を持つだけあって今でもストレスは少なく利用できる。
加えて、iPhone 8などの発売時に比べると、3D表現を多用したより高性能かつ、多くのメモリを必要とするリッチなアプリが増えている。そのようなコンテンツでもA13チップを搭載するiPhone SE(第2世代)ではある程度快適に動作する。
参考までにGeekBench 6のベンチマークスコアを示す。iPhone 8(左)とiPhone SE(第2世代)(中)iPhone 14 Pro(右)をそれぞれ比較するが、今回検証のiPhone SEのスコアは中央くらいの数値となっている。
OSプラットフォームが異なるため正確な比較にはならないが、iPhone SE(第2世代)の性能は、「Galaxy A53 5G」をはじめとした5万円前後で販売されているスマートフォンよりも高いスコアが出ている。
近年におけるリッチコンテンツの代表例と評される「原神」に関しても、Galaxy A53 5Gクラスのスマートフォンが画質中でも動作の引っ掛かりを感じる中、iPhone SE(第2世代)であれば同じ条件で快適に遊ぶことができた。
もちろん、ブラウジングや SNSが中心といった使い方であれば、大きな問題なく利用できる印象だ。iPhone 8あたりと比較しても明らかに快適だ。発売から3年が経過しているが、並のミッドレンジスマホと比べると高性能であることがうかがえる。
ディスプレイ性能に関しては正直なところ、iPhone SEというポジションを考えれば大きなイノベーションはない。4.7型、326dpiの解像度というiPhone 6から大きく代わり映えしない画面では、現行機種に比べると鮮やかさなや画面輝度では一歩劣る。
iPhoneに関しては液晶パネルのiPhone SE(第3世代)の存在もあり、こちらに関してもiPhone 8と大きな差もない。画面におけるイノベーションは、さまざまな趣向を凝らすAndroidスマートフォンに比べると見劣りはする。
生体認証についてはTouch IDと称する指紋センサーを引き続き搭載。昨今の情勢からマスク着用の機会が多かったことから、マスクを外さずとも指紋認証で画面ロック解除可能なこの機種は発売直後から大きく注目されていた。
カメラ性能については、世代相応の写りと評するべきだ。日常利用では不便は少ないが、超広角カメラや望遠カメラを備えないなどのハードウェア的な物足りなさはある。
また、iPhone SEは全世代を通して夜景モードが備わっていない。HDR撮影は可能だが、iPhone 12世代とは明らかに差が出た。
光量の少ない環境での撮り比べでは、夜景モードの有無によって明確に差が出る。iPhone SE(第2世代)では夜景モードを備えていないこともあり、夜間の撮影では厳しい結果となった。
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