iPhone 12 miniは、初の「mini」と名のつくiPhoneだ。コンパクトモデルではあるが性能には妥協がなく、Appleは発表時点で「世界最小の5Gスマホ」をうたう。このスマホは筆者にとっては待ち望んでいた一台だった。
筆者はモバイル分野を専門とするライターという職業柄、スマホを買う機会が人よりも少し多い。年間に数台は購入し、常に2〜4台は持ち歩いている。iPhone シリーズについては、必ず1台は手持ちのラインアップに加えている。
これまでiPhone XやiPhone 11 Proなどその年に発表された最新モデルを愛用していたが、2020年はiPhone SE(第2世代)をメインで使っていた。
もともとiPhone 3GSからiPhoneを使っていた筆者は、最近のiPhoneでは大型化や重さが気になっていた。2017年のiPhone X(174g)や、2019年のiPhone 11 Pro(188g)はFace ID搭載のiPhoneの中では重くない部類だが、かつてのiPhone 5(112g)などと比べると、ずしっとした重さを感じる。
持ち歩きくときにも気になる要素ではあるが、スマホを手に持つ時間が多い筆者にとっては、重さが手への負担に直結することが気になっていた。
そのような実感を抱いていた中でiPhone SE(第2世代)が2020年4月に発売された。ディスプレイは比較的小さいものの、148gという軽さは近年のiPhoneにはない価値だと感じた。レビューのために短期間のみ使用するつもりだったが、思いのほか気に入ってしまい、気付けばiPhone 11 Proよりも重用するようになっていた。
初代iPhone SEを「小型のiPhoneだから」という理由で使っていたというファンもいるだろう。第2世代のiPhone SEに「最新スペックの小型iPhone」を期待したとするなら、おおむねその希望は満たしていたはずだ。ボディーこそiPhone 8の設計を流用しているが、iPhone 11と同じプロセッサ「Apple A13」を備えているなど、中身はほぼ最新仕様だ。
一方で、iPhone SE(第2世代)に物足りなさを感じる部分もあった。現代的な狭額縁スマホに慣れてしまうと、4.7型の画面サイズの割に上下が太い額縁は、やはり見劣りしてしまう。ワガママな要望ではあるが「このサイズ感と最新スペックでフル画面のiPhoneが欲しかった」とつい思ってしまうこともあった。
iPhone 12 miniは、まさにそのワガママに応えてくれた一台だった。A14 Bionicプロセッサや5G対応という2020年の最新スペックはそのままに、Face ID搭載の狭額縁ディスプレイを搭載。しかも重さも133gと軽い。筆者にとっては、選ばない理由がなかった。
そしてiPhone 12 miniは、2020年に発売された5Gスマートフォンの中で群を抜いて軽い。Androidの5G対応スマホでは、4G時代よりも大画面でバッテリー容量を大きくする傾向が特に顕著になっている。Androidの5Gスマホでは「Pixel 5」が151gと軽いが、iPhone 12 miniはそれよりも20g近く軽い。
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