河野太郎デジタル大臣は4月25日、記者会見においてマイナンバー(個人番号)カード保有者が利用できる「公的個人認証サービス(JPKI)」のサービスを拡充し、5月16日から金融機関などに「基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)」を自動提供できるようにすることを明らかにした。自動提供にはカードの保有者本人による申し込みが必要だが(オプトイン式)、一度申し込めば金融機関などに対する住所/氏名変更手続きを省略(自動化)できるようになる。
金融機関などの契約者は、引っ越したり改名したりした場合は金融機関などに「転居届」や「改名(改称)届」などを提出しなければならない。しかし、届け出を失念することによってサービスを一部受けられなくなったり、強制的に休止/解約されたりするというリスクもある。
それに対して、基本4情報の自動提供を申し込んでおくと、情報提供先(金融機関など)は基本4情報の自動確認が可能となる。これにより、確認時に転居/改名があった場合の手続きを自動化できるようになる。ユーザー視点では、転居届や改名届を何通も出す手間が省ける上に、手続き忘れに伴うリスクも回避できる。
オプトイン式なので、「自動提供が嫌だ」という人は申し込まなければよい。
基本4情報の自動提供サービスは、金融機関などにも対応が求められる。
デジタル庁の資料(PDF形式)によると、公的個人認証サービスに対応する民間事業者は4月1日現在で446社(プラットフォーム提供者16社+プラットフォーム利用者431社)あるという。しかし、これらの会社がすぐに基本4情報の自動提供サービスに対応するとは限らないため、自動提供に対応するかどうかは、金融機関などによるアナウンスを待ちたい所である。
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