Fire TVスマートテレビを導入して1年3カ月間――いろいろなメリットとデメリットが見えてきた。簡単ではあるが、まずメリットをまとめてみようと思う。
やはり、Fire TVスマートテレビにおける最大のメリットは、TV放送と動画配信をシームレスに楽しめることにあると考える。
放送中のTV番組は、動画配信サービス(アプリ)のお勧めコンテンツなどと並んでホーム画面の中に“コンテンツ”として表示される。番組にもよるが、サムネイルも表示されるので、コンテンツをザッピングしながら楽しみたい人には、この上なく喜ばしい仕組みだ。
そして、その名の通りFire TVを統合したスマートTVというのも利点である。リモコンの基本デザインはFire TV用の「Alexa対応音声認識リモコン」をベースにしたものであり、Fire TVシリーズを使ったことがある人なら、少なくともFire TVライクに使う限りは違和感なく使える。リモコンの「Alexaボタン」を押せば、音声エージェント「Alexa(アレクサ)」も問題なく利用可能だ。「電源切って」「ボリューム上げて(下げて)」「○○見せて」と音声操作できるのは、非常に便利である。
リモコンや音声操作に対する応答(レスポンス)も良好だ。黎明(れいめい)期のスマートTVというと、1つ1つの動作に対する挙動が遅いこともあったが、少なくともFire TVスマートテレビについてはサクサク動く。映像ソースの切り替えも素早く行える。筆者はいろいろなFire TVシリーズを試してきたが、少し古めのモデルを使っている人ならサクサクぶりに驚くはずだ。
Wi-Fiで映像を投影できる「Miracast」と「AirPlay」の両方に対応していることも魅力といえる。
どちらの規格も端末設定の「ディスプレイとサウンド」からアクセス可能で、Miracastを利用したい場合は「ディスプレイミラーリングを有効にする」を、AirPlayを利用したい場合は「Apple AirPlay&HomeKit」を選択すれば待ち受け画面となる。
Miracast投影の仕様は、Fire TVシリーズの「ディスプレイミラーリング」と同様で(参考リンク)、Wi-Fi対応のWindows 10/11 PCや一部のAndroid端末から映像を投影できる。
Miracastで投影できる最大解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)となる。「4KパネルのTVでフルHDなのか」と考える人もいるかもしれないが、無線で映像と音声を安定して伝送するにはフルHDまでがバランス的には良さそうである。Windows 10/11ではケーブルなしで拡張デスクトップを構築できるので、描画の遅延(レイテンシー)を考慮する必要のない用途では便利に使える。
なお、このTVでMiracastを利用すると他の機能でWi-Fi通信を行えなくなる。実用上あまり問題になることはないと思うが、留意したい。
AirPlayへの対応は、オリジナルのFire TVシリーズにはない要素だ。こちらも投影できる最大解像度はフルHDで、Mac(macOS)からの映像投影なら拡張デスクトップの構築にも対応する。
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