思ったよりもいいもの――ヤマダデンキの「FireTVスマートテレビ」を約1年3カ月使って分かったこと(3/3 ページ)

» 2023年06月21日 13時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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Fire TVスマートテレビの「デメリット」を探る

 筆者が2017年に購入した“ほぼ”スマートTV(OSはAndroid OSベースだが、アプリの追加を行えない)と比べると、このFire TVスマートテレビは動作レスポンスも良好で、アプリも“しっかりと”追加できるので、基本的には非常に快適である。

 ただ、そこそこ長い期間使ってみると、デメリットも見えてきた。一部は「メリットは見方を変えればデメリット」という要素もあるのだが、こちらもまとめておこうと思う。

付属のリモコンが少し使いづらい(特にサイズ)

 Fire TVスマートテレビのリモコンは、Fire TVシリーズ用のAlexa対応音声認識リモコンをベースにしている。先述の通り、このことはFire TVシリーズに慣れ親しんできた人には間違いなくメリットではある。しかし、Fire TVスマートテレビのリモコンを「(スマート)TVのリモコン」だと考えると、使いづらい面が幾つかあるのも事実だ。

 TVとしての機能に対応すべく、Fire TVスマートテレビのリモコンにはたくさんのボタンが追加されている。そのこと自体は悪くないのだが、リモコンがコンパクトすぎて、ボタンが少し押しづらいという問題がある。少し気を付けないと、隣接するボタンを誤って押してしまうのだ(特にテンキー)。

 TV放送を楽しむ際に必要なボタンが“まとまっていない”のも課題だと感じた。慣れという要素もあるが、筆者はデータ放送をよく使うので、データ放送でよく使うボタンはまとめてほしいと感じた。

リモコン並べ Alexa対応音声認識リモコン(左)とFire TVスマートテレビのリモコンを並べてみる。両者の幅は全く同じで、テンキーやTV放送用のボタンを増やすとFire TVスマートテレビのリモコンといった風情である
ボタン TV放送を楽しむためのボタンは、少しだが分散されて配置されている。今ではおおむね慣れたものの、データ放送でよく使う「青」「赤」「緑」「黄」ボタンが下端にあることにはいまだに不慣れである
ボタンがちっちゃい リモコンのテンキーは小さめである。筆者の手(指)が大きすぎるせいでもあるが、慣れるまでよく押し間違えてしまうことがあった

「絵作り」が気になる(かなり個人差あり)

 Fire TVスマートテレビはハーフグレア加工の液晶ディスプレイパネルを採用している。HDR表示にも対応しており、色味“は”不自然な点もなく良好である。

 ただ、ハーフグレア加工ということで暗い映像を映していると、TVの近くで視聴した際に写り込みがどうしても気になってしまう

 先に触れた通り、4K解像度の43型ディスプレイにおける適正視聴距離(約90cm)以上離れて見れば写り込みはあまり気にならない。筆者は、Fire TVスマートテレビを“普通のTV”として使っているため、これでもいいと思っている。しかし、このTVを「少し大きめのデスクトップディスプレイ」として使おうと考える場合は、どうしても写り込みが気になってしまうかもしれない。

 この辺は「使い方」に大きく左右される部分なので、TVを購入する際はディスプレイの色味だけでなく“表面処理”もよく確かめておきたい。

半光沢 Fire TVスマートテレビの液晶ディスプレイはハーフグレア加工なので、暗い映像を映していると反射が気になる可能性がある。この写真はある日にAmazonプライムビデオでドラマを見ていた時に撮ったものだが、ボカシを取ると部屋のオブジェクトが映り込んでしまっている

 筆者としては、この映り込みよりも映像のフレーム補間の処理が気になった。

 Fire TVスマートテレビには、船井電機独自の映像エンジン「クリアピクス2」が搭載されている。このエンジンを生かして、超解像技術「4K クリアピクス リマスター」や、コマ数の少ない映像のフレームを補間する「なめらか再生」という機能も搭載している。

 恐らく、なめらか再生が原因なのかもしれないが、30fps(30Hz)以下の映像を見ていると、不自然な「ヌルヌルさ」を覚える場面が多かった。映像のソース(TV放送、配信動画、HDMI入力)を問わず、実写か否かも問わずに、見ていて「あれ?」と思ってしまうのだ。

 この「ヌルヌルさ」をどうにかしたい場合は、表示中の映像ソースにおいてリモコンの設定ボタン(歯車のアイコン)を押して、「ディスプレイとサウンド」→「詳細設定」と進み、「なめらか再生」の設定をオフにすればいい……のだが、設定の階層がやや深いような気もする。また、映像ソースごとではなく「一括設定」も行えるとより便利なのではないかとも思った。

 TVの「絵作り」についても、好みは個人差が大きい。可能であれば、自分がよく見るであろう系統の映像を使って、どんな感じで映るのか、どう設定できるのかチェックしてから購入したい。

なめらか再生 フレーム補間の効き具合に違和感を覚えた場合は、なめらか再生を「弱」または「オフ」にするとよい。取扱説明書をろくに読まなかった筆者は、この設定項目を見つけ出すのに3カ月ほど掛かったのは内緒である

OSやソフトウェアのアップデート

 Fire TVスマートテレビには、OSやソフトウェアのアップデートをいつまで行うのかという問題もつきまとう。この点は本機に限らずスマートTVである以上“つきまとう”課題だ。

 本機の場合、 通常のFire TVシリーズと同様に「セキュリティアップデートの最低保証期限」が定められている。

 現時点における本機のアップデートの最低保証期限は「2026年」とされている。発売から少なくとも4年間はアップデートを受けられるという計算で、スマートフォンやタブレット端末だと考えれば比較的長めである。

 しかし、これが“TV”だと考えると「少なくとも4年間」のアップデートで十分なのか、という議論はある。スペックの向上やセキュリティの観点から、「スマートデバイス」は4〜5年で買い換えるというのは一定の合理性はある。しかし、それなりに値の張る「映像投影デバイス」だと考えると、4〜5年で買い換えるのは早すぎるのではないかという思いもある。

 「少なくとも」なので、発売から4年を超えるアップデートが行われる可能性もあるが、いつかはアップデートが打ち切られる瞬間は訪れる。スマートTVを買う際は、アップデートが打ち切られた場合の対応策(TV自体の買い換えや、映像投影デバイスの取り付けなど)も合わせて検討したい所である。

アップデート期限 2022年発売のFire TVスマートテレビシリーズは、少なくとも2026年までセキュリティ更新が行われる。筆者はTVをおおむね5〜6年に1回買い換えているので、そのサイクルにはほぼ合致する。ただ、「TVは5年超使うもの」と考えている人が「製品としての寿命がちょっと短い」と考えることは理解できる

TV時々動画プレーヤーとしては良コスパだった 新モデルにも期待できそう

 筆者が使ってきたFL-43UF340は、発売当初の販売価格が10万9780円、事前予約をすると7万6780円で購入できた。6月21日現在のAmazon.co.jpにおける販売価格は5万4890円と、実質的な定価からは半額、事前予約価格からは2万1890円引きとなっている。

 発売から期間が経過したTVの“値崩れ”は日常茶飯事に近い面もあるので、現状の価格についてあれこれ言うつもりはない。1つ言えることは、価格相応の価値はしっかりとあったということである。「超ハイスペックは要らないけれど、そこそこによい画質でTVや動画サービスを楽しみたい」という人にはピッタリな製品である。5万4890円で買えるのであれば、今のうちに買っておくのも“吉”だと思う。

 画質や機能が気になるという人は、ヤマダデンキの多くの店舗で展示されていると思うので、チェックしに行ってみてほしい。

 そんなFL-43UF340だが、冒頭で触れた通り7月1日に後継モデルとして「FL-43UF360」が登場する。

 主要なスペックはFL-43UF340を継承しているが、リモコンが「大型化」したり、スピーカーの品質を向上したりと着実な改良が施されている。こちらも、恐らくはヤマダデンキの多くの店頭に展示されるはずなので、気になる人は出かけて確かめてみるのもいいだろう。

リモコン 新モデルのリモコンは、筆者が先に挙げた問題点をほぼ解消した上で「TVer」「ABEMA」ボタンも増えている。正直にいうと、このリモコンだけを単体で販売してほしいと思うくらいである
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