EchoやAlexaがスマートホーム共通規格「Matter」に対応するとどうなる? Amazonが説明(1/2 ページ)

» 2023年07月05日 06時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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 アマゾンジャパンは7月4日、同社のAIエージェントサービス「Amazon Alexa」スマートホーム市場の概況と、スマートホームデバイスの共通規格「Matter(マター)」への取り組みに関する記者説明会を開催した。

 スマートホームデバイスは無線通信でつながり合い、AIエージェントサービスと連携することでより便利に使える。しかし、その通信規格は乱立傾向にあり、対応規格を“そろえないと”利便性が低下してしまうという問題を抱えている。しかし、規格に縛られてしまうということは、見方を変えるとデバイスの選択肢を狭めることにもなってしまう。

 そんな状況を打開すべく登場した共通規格がMatter……なのだが、正式規格化が2022年10月と日が浅いこともあって、対応デバイスはまだそれほど多くないことも事実である。Matterに対して、Amazonはどのように取り組んでいくのだろうか。

集合写真 Amazonが発売しているスマートスピーカー/ディスプレイ「Amazon Echoシリーズ」の現行モデルはMatterにも対応している
Nature Remo nano 7月4日にAmazon.co.jpで販売が始まったスマートリモコン「Nature Remo nano」は、日本企業が発売するスマートデバイスとしては初めてMatterをサポートしている

Alexaは9歳に(日本では6歳)

ティニス・スキパース氏 Alexaの歴史を説明するアマゾンジャパンのティニス・スキパース氏(Amazon Alexaインターナショナル ジャパンカントリーマネジャー)

 Alexaに対応した初めてのデバイスは、2014年11月に米国で発売された初代「Amazon Echo」である。当時、Alexaの対応言語は英語のみで、「スキル」(プログラム)は米Amazonが自社開発した13種類のみと、現在からは考えられないほどに“小機能”だった。

 その後、2017年10月に登場した2代目Echoは日本でも発売され、上位モデル「Echo Plus」や小型モデル「Echo Dot」といったバリエーションモデルも加わった。

 現在、Echoを含めたAlexa対応スマートデバイスは14万種類を超え、スキルも10万を超える開発者から13万種類以上がリリースされている。対応言語も日本語を含む17言語に対応するようになった。現在も、Alexaは進化を続けているという。

 Alexaは“声がけ”をすることで機能するものだが、日本では「おはよう」「ただいま」「大好き」という声がけが多いそうだ。

ルーツ 初代のEchoは、初めてAlexaに対応したデバイスでもある。当時は英語しか認識せず、スキルも13種類しかなかった
現在 約9年かけて、Alexaは大きく成長した。「Echo Buds」のように耳に収まるコンパクトなデバイスでも使えるようになった
トップ3 日本におけるAlexaの人気ワード。家族の一員みたいなノリでAlexaデバイスに話しかけるユーザーが多いようである

スマートデバイスのより広い普及に向けてMatterに対応

福与氏 Matterへの取り組みを説明するAmazonの福与直也氏(Amazon Alexaインターナショナル 技術本部 本部長)

 先述の通り、Matterはスマートホームデバイスの通信面における共通規格である。この規格はAmazon、AppleやGoogleなどが参加する「Connectivity Standards Alliance(CSA:旧Zigbee Alliance)」が策定しており、2022年10月に初版である「Matter 1.0」がリリースされた。

 Matter 1.0では、機器の無線通信にWi-Fi(IEEE 802.11シリーズの無線LAN)またはThreadを用い(※1)、コミッショニング(ホームネットワークへの登録)にBluetooth Low Energyを利用する。従来のスマートデバイスは“同一規格”の機器同士でないと連携できず、特にAI音声エージェントとの連携において足かせが多かった。

 しかし、Matterに対応している機器はAlexaだろうと、GoogleアシスタントだろうとSiriだろうと、好きなエージェントと連携させられるようになるため、利便性が大きく向上する。

(※1)有線接続ではイーサネットを利用する

Matter Matterのあらまし

 AmazonはCSAの中核メンバーの1社である。そのこともあって、規格が発効した2022年10月から順次、同社は自社のスマートデバイスやAlexaをMatterに対応させる作業を進めている。時系列で対応状況を並べると以下の通りとなっている。

  • 2022年冬:Android向けAmazon AlexaアプリがMatterに対応
    • Wi-Fi通信に対応するMatter機器の制御が可能に
    • 電球やスマートプラグのコントロールに対応
  • 2023年春:iOS向けAmazon AlexaアプリがMatterに対応
    • Thread通信に対応するMatter機器の制御も可能に
    • センサーデバイスにも対応
  • 2023年夏(予定):ハブ製品に対応
    • Matter準拠のスマートリモコン(IRクラスター)類に対応

 現行のEchoシリーズも、Matterデバイスに対するコントローラーとして利用できる。そのうち第4世代Echoなど、一部モデルはThread規格で通信するデバイスを統括する「ボーダールーター」としても利用可能だ。

対応を進めている Amazonでは、EchoシリーズやAlexaを順次Matterに対応させる作業を進めている。Echoシリーズの一部は、Threadで通信を行うデバイスのルーターとして利用することも可能だ

 Amazonでは、Matterをより広く普及するための取り組みも進めている。

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