Googleは10日、Andoridアプリ・ゲーム開発者のストーリーを紹介する「#WeArePlay」プログラムの日本版を開始した。
「#WeArePlay」プログラムは、Google Playで活躍するモバイルアプリ開発者を特集する。アプリを開発し、創業するまでのストーリーを記録し、Google Play ストア内の特設ページで公開する。
発表会では、Google PlayでAPAC地域の責任者を務めるKiran Mani(キラン・マニ)氏が登壇し、Google Playの現況と開発者への支援について紹介した。
Google Playは、世界一の規模のAndroidアプリを配信プラットフォームで、月間アクティブユーザー数は数十億人に上る。アプリの開発者と世界中のユーザーをつなげる場を提供していることから、マニ氏はGoogle Playを「世界のデジタルモール」と表現する。
アプリ開発者に対して、Googleはさまざまな支援を行っている。その目的は「開発者がアプリの革新に専念できる環境を提供し、それによりユーザーに喜びや生産性、娯楽をもたらす」(マニ氏)ことだ。
支援の一環として、Googleは優れたアプリを紹介する取り組みを実施している。各年の年末には優れたアプリやゲームを表彰する「Google Play ベスト オブ」を発表している他、ゲーム開発者向けの交流イベント「インディー ゲーム フェスティバル」を毎年開催している。
今回の#WeArePlay プログラムもそうした取り組みの1つだ。2022年に米国で開始し、2023年には世界各地へ取り組みを広げている。
日本では第1弾として7月10日、中部、近畿、中国・四国地方から、21の開発者のエピソードを公開した。今後は地域ごとに東京(8月中旬)、九州・沖縄(9月下旬)、北海道・東北(10月下旬)、関東(12月上旬)と段階的に公開し、最終的には日本全国で49の開発者のエピソードを公開する予定だ。
イベントでは、#WeArePlayで取り上げられたアプリ開発者の中から、登山地図アプリ「YAMAP」の開発者の春山慶彦氏の動画を上映。3つのアプリの開発者が登壇し、それぞれのアプリの開発経緯を語った。
小児科医の坂本昌彦氏は子育てをする人のための情報提供アプリ「教えて!ドクター」を制作、監修した。このアプリでは発熱や咳などの症状を選択すると、今すぐ病院を受診する必要があるかどうかのアドバイスを表示する。
坂本医師がアプリを開発したきっかけは、ある冬に病院に訪れたある母親だった。その母親は子どもの発熱を心配して、雪が降る中で遠方から病院にかけつけていた。この子どもの発熱はすぐに軽快する症状だったという。「子どもを持つ親がヘルスリテラシーがあれば危険な思いをしないでよかったのではないか」という思いを抱いた坂本氏は、病院受診か家庭診療かの目安を示す診断ツールを開発した。アプリは長野県佐久市など3地域を対象として提供しているが、口コミなどで広まり、首都圏や海外の在留邦人にも利用されているという。
プロスノーボーダーとしても活躍するユキヤマの岡本圭司氏は、スノースポーツ愛好家のためのコミュニティーアプリ「yukiyama」を開発している。ゲレンデでの現在位置を仲間と共有したり、スキーやスノーボードの滑走状況を記録したりする機能を備えている。
岡本氏は「海外のスノーボーダーからは、日本の雪は世界で一番良いという評判を聞くが、日本のプレイ体験は昭和の頃から変わっていない。yukiyamaは日本のどこのスキー場でも使えるGPSマップで、プレイ体験の最大化を目指している」と紹介した。
常川友樹CEOが率いるワンダープラネットは、名古屋に本拠を置くスマホゲームメーカーだ。8周年を迎える代表作「クラッシュフィーバー」など、パズル要素のあるゲーム作品を世に送り出している。2021年に上場を果たしたワンダープラネットだが、2012年に設立当初は「異業種にエンジニア2人と学生1人で、どうしたらゲームを作れるのか分からない」(常川氏)という状態からのスタートだった。常川氏は開発の過程でGoogle Playの担当者からのフィードバックが得られたことや、Play ストアの特集で取り上げられたことが、長期に渡るサービス運営につながったと振り返った。
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