楽天モバイル広報やオペレーターとのやり取りで分かったことは他にもある。Casa6がLTEの電波を吹かない場合、以下の内容を試行する必要がある。
それでも改善が見られない場合は、以下の手順に従いトラブルシューティングを行う。
上記を試してもCasa6がLTEの電波を吹かない場合、考えられる可能性として以下の2点が挙がる。
1点目の相性について説明する。楽天モバイルによると、楽天ひかりを利用する場合は、Casa/Casa6対応のルーター(※2)が必要になる。楽天ひかり以外のインターネット回線を利用する場合、Casa/Casa6対応と表記された製品であってもCasa/Casa6を利用できない可能性があるという。
(※2)Rakuten Casaの使用に際しIPv6対応ルーターが必要となるのは、フレッツ 光ネクスト(光コラボレーションモデル回線含む)を利用する場合のみ(※2023年7月時点)
当初、Casa6がLTEの電波を吹かなかったのは、ドコモ光回線で申し込み、ドコモ光ルーター01にCasa6を接続した際だった。その後、Casa6を返却し、サイバーホームの回線で申請し直した後、別途購入したNECプラットフォームズのWX5400HPにつなぎ直したところ、Casa6が数分足らずでLTEの電波を吹いた。
そのため、1回で電波改善に至らなかった理由は、ドコモ光ルーター01とCasa6の相性であると考えられる。ただ、記者と同じ条件を満たせば、必ずつながるとは断言できないので、あくまでも参考程度にとどめてほしい。
2点目の事例は少ないだろうが、Casa/Casa6とは別のフェムトセル(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが貸与しているフェムトセル)を同一の光回線で利用することはできない。つまり同一の光回線で2台以上のフェムトセルを用いて、電波状況を改善することはできないということだ。
今回、Casa6での電波改善を目的に、上記全ての内容を把握すべく、楽天モバイル広報やオペレーターと何度もやり取りをした。やり取りは丁寧だと感じたが、Webページの情報だけを参考にユーザー自ら解決するのは、ハードルが高いと感じた。
電波調査から電波改善に至るまでに1カ月余りの時間がかかった。広報やオペレーターとやり取りをする中で、耳にしたことのない用語がたくさんあった。例えば、NATなどの一部用語はルーターのメーカーによっては、NATとは異なる用語が使われていることから、できれば用語統一が望ましい。
そもそもCasa6のトラブルシューティングのほとんどをユーザー自身で行う必要があるのもハードルの高さにつながっている。楽天モバイル広報によると、法人向けには設置からその後のサポートまでを訪問にて実施しているが、個人向けには訪問設置とサポートを行っていないという。
法人と個人とで対応が異なる理由として、広報は「楽天モバイルから電波改善が必要なエリアに該当する法人に依頼した上で訪問設置やサポートを行っていること」「飲食店や美容院などに設置する場合、個人宅よりも技術的な面でサポートが必要になること」の2点を挙げる。
とはいえ、個人かつ一般ユーザーが1人でWebサイトや、オペレーターの案内をもとに解決するのは、極めて困難であると思われる。この点を踏まえ、楽天モバイルにはぜひ個人向けにも訪問サポートをお願いしたい。
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