iPad miniの出番が減ったもう1つの理由は、ディスプレイの明るさだ。両モデルを比べた結論を先に述べると、Pixel Foldの方がiPad miniよりも明るいディスプレイを備える。
数値で表すと、iPad miniが500ニトなのに対し、Pixel Foldが最大輝度1200ニト(HDR)/1550ニト(ピーク輝度)となっている。特に屋外で比較すると、その差が顕著に表れる。最近はテレワークが徐々に緩和され、外出の頻度がコロナ禍に比べ、増えてきたので、屋内のみならず屋外でも見やすいPixel Foldを選びたい。
Pixel Foldの折り目が気になるという声をよく耳にするが、正面から見る分にはあまり気にならない。あえて斜めから見ると、iPad miniにはない折り目がPixel Foldにはあるのが分かる。のぞき込んで細かい文字を見るときにはやや気になるが、正面から見たときに文字や画像がゆがんで、内容を把握、確認しづらくなる、といったことはなかった。
肝心の電子書籍はどちらが読みやすいのか。これについても2台並べて確かめてみた。試しに「Kindle」アプリで雑誌を開いてみると、写真や文字はiPad miniの方がPixel Foldよりも若干大きく表示される。「dマガジン」でも同じような挙動となった。
これらは両モデルともに横向きにし、見開きのページを見たときに感じられる差だが、縦向き(片方のページのみを表示する)だとどうだろう。縦向きの場合も横向きと同じように写真や文字の大きさに違いがある。縦向きと横向きの両方ともに上下もしくは左右に出てしまう余白が気になる。
では、KindleとdマガジンのアプリではなくWebのビュワーだとどうなるだろうか。試しに夏目漱石の「こころ」を読んでみると、大きな違いがあることに気付いた。iPad miniでは左右に余白が出るのに対し、Pixel Foldでは余白が全く出ない。文字の大きさはほとんど変わらないので、iPad miniの方はアスペクト比が横長のディスプレイであるため、このように余白が出てしまうのだろう。
Webのビュワーを開いた状態のまま縦向きにしてみると、今度はiPad miniの方がPixel Foldよりも大きく表示された。Pixel Foldは見開き表示のまま縦向きになったのか? と思いきや、設定を見直してもそのような項目は見当たらなかった。ただ、iPad miniは片方のページのみが大きく表示されるのに対し、Pixel Foldは両方のページが表示されたままなので、見開き表示が維持されているのだと思われる。
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