日本市場における折りたたみスマホの新たな選択肢が加わる。Googleの「Pixel Fold」だ。横折りの折りたたみスマホというと、従来はサムスン電子の「Galaxy Z Foldシリーズ」しか選べなかったが、Pixel Foldが加わることによって、日本市場における横折りの折りたたみスマホの選択肢が増えた格好だ。短期間ながら、Pixel Foldの実機を試す機会を得たので、「Galaxy Z Fold4」との違いや、どのような人に最適な端末なのかチェックしていきたい。
【更新:17時50分】タスクバー回りの記載を一部変更しました
まずはサイズの違いをチェックしてみる。折りたたんだ状態のサイズは以下の通りだ。
Galaxy Z Fold4の方が縦に長く、幅は小さく厚みがある。その分、Pixel Foldと比べると片手で握りやすい。重量はPixel Fold(約283g)の方が約20g重い(Galaxy Z Fold4は約263g)。手にしてみると、やはりPixel Foldは“ズッシリ”と感じる。とはいえ、携帯できないほどでもない。
続いて、ある意味で“本題”でもあるインナーディスプレイと、UIを含む使い勝手をチェックしていく。
開いた状態で操作できるインナーディスプレイのサイズは、どちらも約7.6型だ。しかし、アスペクト比(横:縦)はPixel Foldが「6:5」、Galaxy Z Fold4が「5:6」と、縦と横の比率が逆になっている。
Galaxy Z Fold4の場合、アスペクト比4:3の静止画を閲覧する際、上下に表示されない領域(実際は黒い)が広く出てしまう。90度回転させると4:3に適した表示に変わるが、その状態で「くの字(好きな角度にディスプレイを開いて固定させた状態)」にして置くと、4:3でも左右に余白が出る。
それに対して、Pixel Foldなら、そのまま開いて画面を回転させずに4:3のコンテンツを快適に楽しめる。
「YouTube」など、動画を視聴時もディスプレイのアスペクト比の問題に直面する。YouTubeや写真などは4:3にしても16:9にしても比率を維持したまま拡大表示できるが、四隅はその分だけ途切れてしまう。端末の比率に合わせるというより、余白が出ないように文字通り拡大するに過ぎない。
通常表示(拡大しない)なら、静止画像も動画も縦横比率を合わせた方がいいだろう。ディスプレイのアスペクト比が「6:5」のPixel Foldなら、わざわざ回転させず快適に表示できる。「5:6」のGalaxy Z Fold4で4:3の静止画像や動画を楽しむ場合は、画面を90度回転させてから方が良さそうだ。
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