Galaxy Z Fold4を見た後にPixel Foldを見ると、どうしてもベゼル(縁)の太さが気になる。映像コンテンツへの没入感は、Pixel Foldよりもベゼルの幅が狭い(≒薄い)Galaxy Z Fold4の方が基本的には高い。
Galaxy Z Fold4のインナーディスプレイには「アンダーディスプレイカメラ」が仕込まれている。これは画面フィルターを調整することで使っていないカメラを“隠す”というものだ。これはコンテンツ視聴を阻害しないための仕組みなのだが、よく見ると「カメラがある」と分かってしまう。人によっては、アンダーディスプレイカメラ近辺の“違和感”が気になって、そのことが没入感を低下させてしまうかもしれない。
一方で、Pixel Foldは太めのベゼルにインナーディスプレイ用のインカメラを仕込んでいる。ゆえにインナーディスプレイには“隠している異物”がないので、見方によっては没入感が高まる。
どちらが良いかは、ユーザーの好み次第だろう。もし可能なら、「インナーディスプレイカメラ」と「太いベゼル」のどちらが気になるか、同じ映像を使って見比べてみるといいだろう。
Webブラウザは、どちらの方が見やすいのか――プリインストールされている「Google Chrome」で見比べてみよう。
ITmedia MobileのPC向けトップページは、Galaxy Z Fold4の方がより多くの情報を表示できる。画面を90度回転させると、Pixel FoldもGalaxy Z Fold4とほぼ同じ情報量となる。
先ほどの映像コンテンツを見比べた結果と合わせて考えると、Pixel Foldは「パッと開いて映像を楽しむ」ことを重視していて、Galaxy Z Fold4は「パッと開いて情報を手に入れる」ことに重きを置いているような気がする。ともあれ、見るものに応じて画面を回転させれば、映像体験という観点では大きな差はない。
一般的なAndroidアプリを使い比べてみると、Pixel Foldの「6:5」ディスプレイに最適化されていないアプリはまだ多い。例えば「Twitter」「楽天市場」アプリを開くと、左右に非表示領域が生じてしまい、Galaxy Z Fold4と比べると実際の表示領域が狭くなる。しかし、画面を90度回転させれば、キッチリと全画面表示となる。とはいえ、頻繁に画面(端末)を回転させると、そのことに面倒さを感じてしまうのは否定できない。
逆に、Galaxy Z Fold4の「5:6」ディスプレイは、回転させずとも画面いっぱいに表示できるアプリが多かった。恐らく、先行して登場していることのメリットを享受できているのだろう。
縦と横の比率が“逆”になるだけで、アプリの体験が意外と変わってしまう。ただでさえ、Android端末のディスプレイのアスペクト比はたくさんあるため、開発者がその全てに対応させるのは難しい。とはいえ、時間がたてば「6:5」に最適化した表示を行えるアプリは増えると期待している。
ちなみに、「YouTube」「Google Map」「Meet」「Keep」「メッセージ」「Google フォト」といったGoogle純正アプリは、Pixel FoldとGalaxy Z Fold4のどちらでも余白なく表示できる。さすがは“純正”といったところだろうか。Pixel Foldを使うなら、まずはGoogle純正アプリで仕事やプライベートのタスクをこなすといい。
繰り返しだが、Pixel Fold(アスペクト比「6:5」)に最適化されたアプリが今後増えるかどうかは、開発者にかかっている。本当にお願いします……。
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