ここからは、カメラを比較してみよう。
Pixel Foldのアウトカメラは約4800万画素の広角レンズ(F1.7)、約1080万画素の超広角レンズ(F2.2)、光学5倍ズームが可能な約1080万画素の望遠レンズ(F3.05)の3眼で、構成は「Pixel 7 Pro」に似ている。ただし、Pixel 7 Proと比べるとセンサーの画素数がやや低く、超解像ズームはPixel 7 Proが「最大30倍」であるのに対し、Pixel Foldでは「最大20倍」にとどまる。
Galaxy Z Fold4と比べると、Pixel Foldは「光学4.5倍望遠」が目立つ。一方で、望遠レンズのF値はGalaxy Z Fold4の方が小さく、より明るく撮れるようになっている。
作例を比較してみると、広角も超広角もGalaxy Z Fold4の方がビビッドな仕上がりとなっている。一方で、超広角はPixel Foldの方がゆがみが抑えられており、自然な仕上がりとなっている。特にPixel Foldは駅の瓦やビルの上の細い避雷針などの細かいディテールがしっかりと表現できており、何より肉眼で見たときの色合い(実際の色合い)に近い。
ズーム倍率を「5×」「10×」と高めるにつれて、両者共に画像の粗さは目立つようになる。めいっぱいズーム(デジタルズーム)したときは、さらにぼやけてしまう格好だ。
暗い場所では、どちらも「ナイトモード」を使える。仕上がりはGalaxy Z Fold4の方が明るい……と思いきや、よく見ると手ブレ補正が効いていない。それに対して、Pixel Foldはナイトモードでも手ブレ補正が効いて、標識の文字がハッキリと読める。細かいディテールは、昼間も夜もPixel Foldの方が表現できているように感じた。
月を撮影してみると、クレーターまでハッキリと見える……とはいいがたいが、ややハッキリとしていて色見が肉眼で見たときに近いのはPixel Foldである。
カメラでもう1つ見逃せないのが、映り込んだ物や人物を削除できる機能だ。Pixel Foldは「消しゴムマジック」、Galaxy Z Fold4は「オブジェクト消去」という機能を搭載する。
Pixel Foldは「Google フォト」アプリにこの機能が搭載されており、消したいオブジェクトを指で囲むと消せる。Galaxy Z Fold4は「フォトエディター機能」を使って、映り込んでしまった不要なオブジェクトを選択するだけで消去できる。より簡単なのは後者で、仕上がりも後者の方がそれなりにきれいだ。
試しに透明なグラスを消そうと試みたところ、Pixel Foldはグラスの上の縁と、テーブルに設置している面がうまく消せなかった。それに対し、Galaxy Z Fold4はただ選択しただけで、不自然さはあるものの消すことができた。
Pixel Foldのガイドページには「被写体の周りに円を描いたり、塗ったりすることで、写真から消すことができます」とあるが、実際に使ってみると、ペンが欲しいと感じてしまう。指先よりも、細いペンの方が細かいふちどりをしやすそうだ。
Galaxy Z Fold4には「Sペン」が別売りで用意されている。Pixel Foldにこそこうした細かい操作に適したスタイラスペンが用意されるとありがたい。
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