短期間ながらPixel FoldとGalaxy Z Fold4を比較してきた。どちらも完成度が高く、2つのディスプレイを備える折りたたみスマホであることは共通しているが、使い込んでみると全くの“別物”と感じる。
プロセッサはPixel Foldが「Tensor G2」、Galaxy Z Fold4が「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載し、マルチタスク機能やカメラ機能はどちらも快適だ。一方で、カメラに関して使い勝手に細かい違いがあるため、比較しがいがある。それゆえ、これから買う人にとっては悩みどころが多いかもしれない。折りたたみスマホに適したアプリが今後増えることで、さらに折りたたみスマホならではの使い勝手が良くなる可能性がある。
Galaxy Z Fold4はシリーズの4世代目というだけあり、折りたたみスマホとしての完成度が高い。かゆいところに手が届く使い勝手や、多くの情報を取得した人に向く。Pixel Foldは第1世代モデルということで、まだ進化の余地があるが、カメラや翻訳機能を求める人に向くと感じた。Googleのサービスを中心に新たな体験したい人にもお勧めしたい1台だ。
一方で、Pixel Foldはコストパフォーマンスを追求したモデルではない。従来のPixelシリーズといえば、高性能なプロセッサ「Tensorシリーズ」を搭載しつつも、他社より求めやすい価格帯で販売されてきた。いわゆる「コスパの良さ」も武器となっていたが、Pixel Foldは明らかにコスパの良さを重視していない。
ここ数年のハイエンドスマホの傾向を見ていると、円安基調で部材調達でのコストが端末の販売価格に反映され、結果として過去に比べて大幅な値上がりとなりがちだ。Pixel Foldも円安の影響を受けているだろうが、Googleとしては高価でも折りたたみスマホを世に出すことで、デザインや使い勝手の面で存在意義を示したかったのではなかろうか。
1画面しかない一般的なスマホと比べて、“できること”が多いのも20万円以上もする理由の1つだろう。Pixel FoldはGalaxy Z Fold4よりも1万円以上高いが、販路はGalaxy Z Fold4よりも多い。キャリアでのポイントバックキャンペーンや、Google ストアでのストアクレジット付与など、定価よりも安くなる方法はいくつか用意されているので、吟味した上での購入をお勧めしたい。
(※)価格は全て税込み。オンラインショップ価格のため、店頭販売価格とは異なる場合がある
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.