筆者の用途とは異なるが、WebやSNSの閲覧、動画視聴の使用感も比較してみた。
WebやSNSは横向きよりも縦向きで使った場合に違いがよく分かる。横向きにしてITmedia Mobileのトップページを「Chrome」で開いてみると、iPad miniとPixel Foldともにほぼ同じ情報量を取得できるが、Pixel Foldの方がトップページ2段目の記事のタイトルまで表示される。反対に縦向きにすると、アスペクト比が1.52:1のiPad miniの方が6:5のPIxel Foldよりも多くの情報を表示できる。
SNSの「X(旧Twitter)」ではiPad miniが縦向きと横向きともに全面いっぱいに表示される。対するPiexl Foldは縦表示の情報量がiPad miniに比べて少ないだけでなく、本体を横向きにして表示させたときに左右に余白(実際には黒)が出てしまう。アプリがPixel Foldに対応していなければX同様、全面いっぱいに表示できないということだ。
YouTubeは16:9の動画ならiPad miniの方が余白が少ない。昨今の動画はほとんどが16:9のため、Pixel Foldのアスペクト比に近い動画はあまり見かけない。見やすいのはiPad miniかもしれない。
ただ、折りたたみスマホならではの利点として、Pixel Foldがスタンド不要で動画視聴などを行える点には触れておきたい。iPad miniもスタンド付きのカバーが出回っているが、Pixel Foldは「くの字」に折り曲げて机上などに置けば、本体がスタンド代わりになるだけでなく、アプリによっては上下で別々のことを行える。一例を挙げると、YouTubeの動画視聴時にくの字に折り曲げると、下半分がコントローラーの画面になり、上半分がプレビューの画面に自動で切り替わる。
折りたたみスマホはくの字にして置いたときにこそ、真価を発揮すると筆者は考えるが、折りたたみスマホに対応するアプリはまだまだ少ない。時間がかかってでもより多くのアプリが対応していくことに期待したいところだ。
こうして比較してみると、コンテンツやビュワーによって、挙動が異なることが分かる。
もちろん見づらければ拡大すれば済むことだし、すごく困ることではないので、気になって読めないほどではないが、電子書籍用の端末としてPixel Foldを使いたいので、アプリで見開き表示にした場合の余白表示は何とかならないものだろうか、と思う。
また、iPad miniで使っていたApple PencilはPixel Foldでは当然使えず、Pixel Fold専用のスタイラスペンがない。指ではどうしても細かい文字が押しづらく、都度拡大しなければならず、気になる言葉を調べる、という用途には向かない。
それでも、使わないときは折りたたんで持ち運べる携帯性と、屋外でも見やすいディスプレイはPixel Foldならでは。今後もPixel Foldで電子書籍を楽しみたいと思う。
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