X(旧Twitter)有料化への布石? 新規サブスク必須テストや新プラン開始の背景

» 2023年10月31日 09時47分 公開
[山本竜也,ITmedia]

 X(旧Twitter)は10月18日、投稿や返信、いいねなどの機能を使うには年間1ドルのサブスクリプションへの加入が必須となる「Not A Bot」のテストをニュージーランドとフィリピンで開始しました。Xに新規登録したアカウントが対象で、既存ユーザーは影響を受けないとのことです。

X 新規ユーザー向けにサブスクリプションサービスを開始したX。目的はbotを排除するため

 このテスト、Not A Botという名称からも分かるように、スパムやbotなどを排除するのが目的だとしています。現状では、大量のスパムアカウントを簡単に作成できてしまいますが、投稿を有料化することで、こうしたスパムアカウントを排除しようというもの。1ドルくらいならかまわずに払うというスパムも現れそうですが、サブスクリプションには個別の電話番号が必要となるので、大量のスパムアカウント運用を難しくするのが狙いなのでしょう。

Xシステムの月額使用料を少額課金する方向に移行している

 Xのイーロン・マスク氏は9月18日(現地時間)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との対談の中で、「we're moving to having a small monthly payment for use of the X systems.(Xシステムの月額使用料を少額課金する方向に移行している)」「It's the only way I can think of to combat vast armies bots(大量のbotと戦うために思いつく唯一の方法だ)」と語っていました。

 なお、現状ではNot A Botの対象となるのはWebからの操作のみ。スマートフォンやタブレットからは、サブスクリプションに加入しなくても投稿や返信、いいねなどの機能が使えます。これは、スパム投稿の多くがWebから行われているためだと考えられます。

 X(旧Twitter)とスパム/botといえば、その数などについて正確な情報を提供していないとして、一時はマスク氏が買収合意を撤回するなど大きな問題となっていました。マスク氏による買収後も、「botに悪用されている」として無料APIの提供を終了するなど、bot対策に乗り出している印象です。

 ただ、スパム/botを口実に次々と無料サービスを終了しているのは、有料化に向けた布石と言う見方もできなくはありません。マスク氏の買収後、米国での広告収入が59%減少したとも伝えられており、その減収分を有料化によって賄いたいと考えていても不思議ではありません。

「Xプレミアム」「ベーシック」「プレミアムプラス」で有料サービスを細分化

 10月27日(現地時間)には、サブスクリプションサービス「Xプレミアム(旧Twitter Blue)」に月額368円の「ベーシック」と月額1960円の「プレミアムプラス」を追加しています。

 プレミアムプラスは、従来のプレミアムに加えて「おすすめ」と「フォロー中」タブで広告が非表示になり、返信のブーストも最大になります。

 ベーシックは、プレミアムからポストの収益化やアナリティクスなどのクリエイターハブ関連の機能が削除される他、認証ユーザーに表示されるチェックマークも付加されないといった違いがあります。

 こうした有料プランの細分化も、何とか有料契約率を高めたいという考えがあるためなのでしょう。

Xへのアクセスは減少も、月間ユーザー数は好調?

 なお、Webサイトのアクセス分析ツールを提供するSimilarWebによると、Twitter.comへの9月の全世界でのWeb経由のトラフィックが前年同月比で14%減少、トラフィックの4分の1を占める米国では19%減少したとのこと。モバイルアプリ経由も同様で、米国では前年比で17.8%減少したと報告されています。

X Xへのアクセスは徐々に減少傾向を続けています(関連リンク)

 対してマスク氏は、7月にXの月間ユーザー数が過去最高を記録したと投稿し、好調ぶりをアピールしていました。この数値はbotを除いたものだとのことなので、さまざまなbot対策が実を結び、表から見えるトラフィックは減少したものの、ユーザーのアクセス自体は増加していると考えられなくもありません。

 Not A Botのテスト結果については、近々知らせるとのこと。結果が良好だったので世界的に導入、あるいは無料プランには投稿制限を設けて、無制限にするには有料プランへの加入が必要という判断が下される可能性もあり、今後の情報に注目したいところです。

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