INFOBARスマホはもう出ない? 「INFOBAR大百科展」で振り返る“デザインケータイ”の20年(3/3 ページ)

» 2023年10月31日 18時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

20年を迎え、雰囲気は初代に INFOBAR xvの次期モデルはある?

 そして、2007年発売の「INFOBAR 2」以来、約11年ぶりにケータイとして復活を遂げたのが「INFOBAR xv」だ。INFOBAR 2のようなストレート型の本体にタイル状のテンキーを搭載し、代名詞となったNISHIKIGOIに加え、淡いピンクを基調としたCHERRY BERRY、大正時代に流行した漬物のナスに近いNASUKONの全3色が用意された。

INFOBAR インフォバー カラー 錦鯉 NISHIKIDGOI ガラケー フィーチャーフォン デザイン INFOBAR xv

 INFOBAR xvはディスプレイ面と背面がわずかに膨らんだ独特の形状が印象的な製品で、砂原氏は「球面を切ったような断面とフォルムにしたかった」との意図を語る。下部には側面には卓上ホルダとの接続や、データ転送に使う外部接続端子(Micro USB)を設け、往年のケータイユーザーにとって朗報となったストラップホールが設けられた。

 発売年は2018年で、この頃は既に「スマートフォンが成熟していたため、20周年を記念した新作をどう打ち出すか」を悩んだと砂原氏は打ち明ける。ここでスマートフォンを世に出すとなれば、当然、A01やA03の流れをくんだモデルになるべきだし、他との徹底的な差別化も必要になる。ただ、当時は3Gケータイからスマートフォンの乗り換えを促しつつも、3G停波後も4Gケータイを選択肢として残したいKDDIの意図がくみ取られ、結果的にこのバー形状(スマートフォンではないモデル)が復活した。高さを初代INFOBAR、INFOBAR 2と同じ138mmにそろえ、昔のINFOBARユーザーが乗り換えやすくする工夫もあった。

INFOBAR インフォバー カラー 錦鯉 NISHIKIDGOI ガラケー フィーチャーフォン デザイン INFOBARの進化はxvで止まったままだ。「その後、新モデルを出せずにいた」と語る砂原氏

 気になるのが今後のINFOBARの姿だ。20年を迎える節目なのに新モデルはいまだに発表されない。筆者は砂原氏に今後はどうなるのかを聞いたところ、「諦めたわけではないが、出しづらい状況にある」との答えが返ってきた。

 「でもファンの方からは『欲しいのはNFT(※来場者に配布されるデジタルコンテンツ)ではなく、本物のINFOBARだよ』という声を長らくいただいており、われわれとしてその声にお応えできていないのは申し訳ないと思う。本当は世に出していきたいけど、au Design projectでこれまでやってきた新しい技術を取り入れるなどのチャレンジを今やるべきではないと考えている」(砂原氏)

INFOBAR インフォバー カラー 錦鯉 NISHIKIDGOI ガラケー フィーチャーフォン デザイン 「NFTではなく本物のINFOBARが求められている」と話す砂原氏

 「やるならiPhone並みの機能性やクオリティーにエモーショナルな面をプラスしていかないと、やる価値がないと思う。今それをやろうとすると、1台あたりの価格はiPhoneより高くなってしまうし、ビジネスとして成立しない。新しいモデルへのチャレンジを辞めたわけではないが、今やるべきではないと判断している」(砂原氏)

 「iPhoneで基本的に事足りる。GoogleのPixelも(中身は)すごいけれども、本体の形は他とほぼ同じだから、われわれとしては心が豊かになるような製品を世に送り出したい」(砂原氏)

 その具体的なプロトタイプに砂原氏は下記2つを挙げる。

  • 初代INFOBAR型Apple Watch ケース
  • 生成AIマスコット「Ubicot(ゆびこっと)

 初代INFOBAR型Apple Watch ケースは20周年を記念し、初代INFOBAR(NISHIKIGOI)を模したケースで保護できるのが特徴。Ubicotは漫画やアニメの主人公のパートナーになるようなキャラクター性を持ち、あらゆる空間でユーザーと対話できる生成AIマスコットだ。これら2つは11月23日〜2023年12月10日に「21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3」で開催される「Digital Happiness / いとおしいデジタルの時代。展」に出展される予定だ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月27日 更新
  1. 3社そろい踏みの「Starlink Direct」 料金で仕掛けるドコモとソフトバンク、先行するKDDIは“サービス”で差別化 (2026年04月25日)
  2. スマホの「残価設定」にメス? 総務省がルール統一を検討も、Appleは「不当な扱い」と猛反発 (2026年04月25日)
  3. 楽天モバイル、ルーター「Rakuten WiFi Pocket 5G」の販売を一時停止 理由は? (2026年04月24日)
  4. ダイソーで1100円の「USB充電器(PD20W)」は、きちんと20Wで充電できるのか? (2026年04月26日)
  5. Xiaomiの前に、中国スマホの“雄”だったMeizu、またしてもピンチ (2026年04月26日)
  6. ダイソーの1100円「シースルーイヤフォン」に一目ぼれ “音質と個体差”に目をつむれば「あり」な選択肢 (2026年04月23日)
  7. 1.72型ディスプレイ搭載スマートバンド「Xiaomi Smart Band 10」、高精度の睡眠モニタリングも可能 (2026年04月25日)
  8. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. 「Pixel 10a」と「Pixel 10」どちらを選ぶ? 実機比較で分かった「約5万円差の価値」と「明確な違い」 (2026年04月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年