ソフトバンクの新プラン「ペイトク」はPayPayをいくら使えばお得になる? 「メリハリ無制限+」と比較スマホ料金プランの選び方(1/2 ページ)

» 2023年11月08日 12時25分 公開
[シムラボITmedia]
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 ソフトバンクは10月3日に「新料金プラン「ペイトク」と「メリハリ無制限+」を開始しました。特にペイトクはPayPayを使うと高額のPayPayポイントが還元される新しいタイプのプランです。今回は「ペイトク」「メリハリ無制限+」を含むソフトバンクの料金プランを比較した上で、お得なプランの選び方を解説します。また、PayPayでいくら決済すればペイトクがメリハリ無制限+よりお得になるか、損益分岐点も解説します。料金は全て税込みです。

「ペイトク」の概要

 ペイトクの月に使える容量は30GB/50GB/無制限の3つで、「新みんな家族割」「おうち割 光セット」「PayPayカード割」による割引が適用可能です。さらにPayPayによるお買い物時のPayPayポイント還元がプラスされる「ペイトク特典」が受けられます。簡単に言うと、「料金はこれまでより高いものの、PayPayで買い物をするとポイントが還元されてお得になる」というプランです。

ペイトク ペイトクは3つの容量が選べ、選んだ容量によってPayPayポイントの還元の上限が異なる

 特徴は、選んだデータ容量に比例してPayPayポイントの還元率や還元の上限も大きくなる点です。ペイトク特典を上限まで得た場合、ペイトク30よりペイトク無制限の方が安くなります。さらにペイトク特典は現在キャンペーンも実施しており、PayPayポイントの付与率が3倍になります。

 ただし、ペイトク無制限にはいくつか制限があります。まず、データシェア(親回線のデータ容量を子回線と分け合う仕組み)による子回線のデータ使用量は最大50GBで、50GBを超過すると通信速度が最大300kbpsに制限されます。また、合計のデータ使用量が200GBを超えると通信速度が最大4.5Mbpsに制限されます。特に後者の200GB制限については「無制限というプラン名なのに、実質容量制限があるじゃないか」とSNSなどで疑問の声が挙がっていました。

 ただ、ソフトバンクによると、月に200GB以上使う人は全契約者の0.3%とのことで、この0.3%の人が大量のデータ通信を行うと、残りの99.7%の人の通信品質に影響が出る可能性があります。よって、この200GB制限はソフトバンク契約者の99.7%にとっては歓迎すべき制限といえます。また、4.5Mbpsという制限速度はスマホならほとんど影響がない速度なので、あまり気にする必要はありません。

 また、ペイトクにはポイント付与対象外の決済もあります。ソフトバンク/LINEMO/Y!mobile(ワイモバイル)の料金支払い、金券類の購入、医療機関や鉄道の料金支払い、一部の税金の支払いなどは対象外なので注意してください。

ペイトク ソフトバンクの料金支払いや医療機関での支払いなどはペイトク特典の対象外なので注意(画像はソフトバンク公式サイトより引用)

「メリハリ無制限+」の概要

 続いて、メリハリ無制限+の概要を解説します。これまでのメリハリ無制限を部分的に改訂したプランで、メリハリ無制限と違いは以下の5点です。

  • 基本料金が187円値上げ
  • PayPayカード割(月187円)の対象に
  • データ使用が少ない月の自動割引の容量が3GB→2GBに
  • 200GB超で速度制限(最大4.5Mbps)
  • テザリングとデータシェアの容量上限が30GB→50GBに
ペイトク 料金は187円値上げされたが、PayPayカード割を適用すれば同額になる。200GB超で速度制限がかかるかわりに、テザリングとデータシェアの上限は上がった

 ペイトク無制限と同様、こちらも“無制限”というプラン名ながら200GBを超えると速度が最大4.5Mbpsに制限されます。ただ、こちらも一般ユーザーはほぼ無関係なので気にしすぎる必要はありません。現在メリハリ無制限を契約中の人は、今後も同プランを使い続けられます。200GB以上使う可能性がある人や、どうしてもPayPayカード以外で料金を支払いたい人は今後もメリハリ無制限を使い続けた方がお得です。

最もお得なプランを容量別に比較

 では、今後契約する場合はどのプランがお得でしょうか。小容量向けのミニフィットプラン+も含め、主要プランを比較してみました。組み合わせが多いので全パターンを網羅することはできませんが、ここでは各種割引(新みんな家族割、おうち割 光セット、PayPayカード割)の適用あり/なしと、PayPayで還元上限まで買い物をする/全くしない組み合わせで4つのパターンに分けて検証します。

ペイトク PayPayを使わない場合、3GB未満ならミニフィットプラン+、3GB以上ならメリハリ無制限+がお得な場合が多い。PayPayをたくさん使うなら、小容量帯を除きほぼペイトク無制限がお得だ

 まず、PayPayで買い物をする頻度や金額によって大きく2つに分かれます。PayPayによる買い物をしない場合、ペイトクを選ぶメリットはありません。基本的には月に使う容量が3GB未満ならミニフィットプラン+、3GB以上ならメリハリ無制限+を選びましょう。

 一方、PayPayでたくさん買い物をする場合は、ほぼペイトク無制限がお得な場合が多いです。各種割引が適用できるなら、ほとんどデータを使わない場合はミニフィットプラン+がお得ですが、1GB以上はペイトク無制限の方が安いです。PayPayを月8万円分使うのは少々ハードルが高いですが、決済をPayPayに集中させることでデータ無制限のプランをミニフィットプラン+よりお得に使えます。

ペイトクとメリハリ無制限+の損益分岐点

 前章ではPayPayを全く使わない場合と、還元の上限まで使った場合の料金を比較しましたが、気になるのは「PayPayでいくら以上決済すればペイトクがお得になるのか?」という点でしょう。PayPayでいくら以上決済するとペイトク30/50/無制限がお得になるか、各種割引を適用した場合で容量別に計算してみました。

ペイトク 各種割引を全て適用して50GB以上使う場合、4万4000円以上決済すればペイトク無制限が最もお得になる

 こちらもかなり複雑ですが、分かりやすいのは1GB未満、1〜2GB、50GB以上の場合です。月のデータ使用量が1GB未満の場合、ペイトクがミニフィットプラン+よりお得になることはないので、ミニフィットプラン+を選びましょう。1〜2GBの場合、ペイトク30/50はメリハリ無制限+に届きませんが、PayPayの決済額が7万7000円以上ならペイトク無制限がお得になります。50GB以上の場合、PayPayで4万4000円以上決済すればペイトク無制限がお得です。4万4000円以下ならメリハリ無制限+を選びましょう。

 なお、月のデータ使用量が2〜3GBと3〜30GBの人はPayPayの決済額によって最もお得になるプランがメリハリ無制限+/ペイトク30/50/無制限の4つに、30〜50GBの人はメリハリ無制限+/ペイトク50/無制限の3つに分かれます。この場合は、自身の過去のPayPay決済額を確認し最適なプランを選びましょう。

 といっても、前月のうちに翌月のPayPay決済額を正確に予想し、最適なプランを選ぶのは難しいでしょう。今月は思ったよりPayPayでたくさん買い物したので、他プランの方がお得になった、という場合も多々生じると思います。2〜50GBの人は、ある程度割り切って選ぶか、ペイトク無制限を選んだ上でなんとしても上限となる8万円分の買い物をするか、どちらかを選びましょう。

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