KDDIが「初代INFOBAR型Apple Watch ケース」を作ったワケ “目玉のおやじ”風生成AIマスコット「Ubicot」も披露(1/2 ページ)

» 2023年11月22日 22時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 KDDIは展覧会「Digital Happiness / いとおしいデジタルの時代。展」を21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3(東京・港区)で開催する。期間は11月23日〜12月10日(10時〜19時)。前日の22日の内覧会で「初代INFOBAR型Apple Watch ケース(プロトタイプ)」などをメディアにいち早く公開した。

auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch 「Digital Happiness / いとおしいデジタルの時代。展」の壁面と展示物の一部
auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3

 2023年は「INFOBAR」などの“デザインケータイ”を生んだ「au Design project」の第1弾モデルである初代「INFOBAR」の発売から20周年の節目となる。本展覧会はau Design projectが発案する新プロダクト提案の場として開催される。内覧会にはau Design projectや、iidaブランドの製品を企画してきた、事業創造本部 Web3推進部 エキスパートの砂原哲氏が訪れた。砂原氏に初代INFOBAR型Apple Watch ケースを手掛ける理由と、au Design projectの今後について聞いた。

auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch au Design projectや、iidaブランドの製品を企画してきた、事業創造本部 Web3推進部 エキスパートの砂原哲氏

INFOBAR型Apple Watch ケースをお披露目

 初代INFOBAR型Apple Watch ケースはApple WatchをINFOBARのディスプレイに見立てて、さも初代INFOBARを使っているかのような感覚になるケースだ。初代INFOBARの発売から20年を迎えるにもかかわらず、「何も世に出さないのはファンに申し訳ない。何かしらの提案はないか考えた結果、生まれた」のがこのケースだと砂原氏は話す。

 「INFOBARの新製品を出しづらい」ご時世になぜApple Watchケースとしたのだろうか。砂原氏は「Apple WatchのディスプレイサイズがINFOBARのディスプレイサイズに近いことから、分解した初代INFOBARにApple Watchをはめ込んでみたところ、見事にはまった」と語り、「20年前のINFOBARのテクノロジーに近いものがApple Watchだった」ことを明かした。

 初代INFOBAR型Apple Watch ケースはApple Watch Series 7、8、9の45mmに対応する。「41mmも検討したが、初代INFOBARのサイズと合わないことから、41mmへの対応をいったんやめた。45mmを取り付け可能なケースに仕上げることで、初代のサイズ感をなるべく維持できるようにした」(砂原氏)

auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch 「初代INFOBAR型Apple Watch ケース(プロトタイプ)」
auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch ケース側面
auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch アンテナも忠実に再現されているが、伸ばしたり収納したりすることはできない

 構造としてはApple Watchのバンドを取り外してから箱(ケース)に取り付けるようなイメージで、ディスプレイに傷が付かないようにアクリル板で覆われている。ニュースリリースの画像だけではイメージしづらかったが、ケースを装着したままでもApple Watchを操作したり、通話したりできるため、初代INFOBARを使っているような気分になるはずだ。砂原氏は「INFOBARの着信音や、オリジナルのウォッチフェースは発売時に用意できたらいいと思うが、現時点でそれらの確定情報はない」としている。

auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch ウォッチフェースはApple Watch独自のものだった

 初代実機との差分として、砂原氏は「デジタルクラウンの部分をくり抜いていること、INFOBARのタイルを模したボタンが押せないこと、初代とは異なる素材を使用していること」を挙げる。展示中のケースは机上から取り外せないようになっていたが、特別に背面部分を見せてもらうと、ケースを装着したままでも充電できることが分かった。「背面の部分はこれから調整していくが、ケースを外さずに充電可能にしたかったため、マグネットの部分をくり抜いた」(砂原氏)

auDesignproject INFOBAR ケータイ AppleWatch 背面

 発売時期や市場想定価格は11月22日時点で未定とのことだが、砂原氏は「2024年春から夏にかけて発売できるように準備したい」と意気込む。価格は「1万円を超えない」(砂原氏)ようにすべく、極力できることを減らしたという。「仮にボタンを押せるような構造にすると、3万円くらいになってしまうので、それはできるだけ避けたく単純な構造にした」と砂原氏。カラーはニシキゴイ1色のみで、「多色展開は22日時点において予定していない」という。

 au Design projectはINFOBARだけでなく、「talby」や「MEDIA SKIN」など、さまざまな“名作”を生み出してきたわけだが、発売後に反響を見てから、INFOBARではないtalbyなど他モデルをベースにしたケースも検討していく。

 ケースからApple Watchを取り外して、取り付ける様子の撮影は許されなかった。展示段階では「ケース内部をお見せできる状態にない」(砂原氏)ため、メディアのみならず一般の来場者を含め、「ケース内部などの詳細は展示しない」としている。

 初代INFOBAR型Apple Watch ケースはどのような人に向けた製品になる見込みなのか。砂原氏は「まだINFOBARを知らないZ世代や、Apple Watch所有者、はたまたフィーチャーフォンを使ったことのない人」に向けて訴求していくとした。さらに、「月額385円のウォッチナンバープランを契約したApple Watchをケースに入れれば、本当にINFOBARを持っているような感覚になる」と話し、料金プランとの相性のよさをアピールした。

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