トビラシステムズは11月29日、特殊詐欺/フィッシング詐欺に関する独自調査レポート(2023年10月)を公開した。
2023年10月に新たに確認された迷惑電話番号の種別/割合では、国際電話番号(≒海外からの発信)の割合が50%近くまで増加し、IP電話番号(=「050」から始まる電話番号)を大きく上回った。これは、050で始まる電話番号が割り振られる電話サービスでも、契約時の本人確認を義務化する方針が6月に政府から示された影響だと思われるという。
特に多かった発信元は、「アメリカ合衆国」「カナダ」を含む北米地域(国番号1)、イギリス(国番号44)、スリランカ(国番号94)だった。
国際電話番号が悪用される事例は、国際電話の着信履歴を残して折り返し時に発生する高額な通話料金を狙う「国際ワン切り詐欺」、インターネット利用中に偽警告を表示して偽のサポートセンターに電話を掛けさせて、修理代やサポート代をうたって架空の料金をだまし取る「サポート詐欺」などがある。日本国内の特殊詐欺グループが、国際電話番号を簡単に取得できるサービスを使ってこのような犯行に及んでいる可能性も考えられるという。
2023年10月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの種別割合は、宅配事業者をかたる手口が89.1%を占めた。実在する企業やブランドの名前をかたるフィッシング詐欺のSMSでは「イオン銀行」「三菱UFJ銀行」をかたるフィッシング詐欺のSMSが目立ち、日別割合の8割近くを占めている。
11月下旬の「ブラックフライデー」に関連したセールを皮切りに、これからクリスマスや年末年始に向けて、オンラインでの買い物の機会が増えやすいシーズンとなる。買い物後などに偶然フィッシング詐欺のSMSを受信し、購入した商品に関する通知と思い込んで、フィッシングサイトにアクセスしてしまうと、個人情報を盗み取られたり、端末が不正なソフトウェア(マルウェア)に感染したりする恐れがある。
トビラシステムズでは、よく利用するサービスのブランド名が記載されたSMSが届いた場合も、フィッシング詐欺の可能性を見据えて、文面上のURLではなく、公式アプリやあらかじめブックマークしたサイトのマイページなどから情報を確認するなど、対策を呼び掛けている。
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