KDDIが9月1日から提供している「auマネ活プラン」。これは通信と金融特典がセットになったユニークなプランだ。CMなどで“マネ活”という言葉は広がったが、実際のプラン内容を理解できていない人も多いのではないだろうか。そこで改めて「auマネ活プラン」について解説。どれくらい得できるのかを考えてみた。
携帯電話の料金プランには、自宅の電話やインターネットなどの通信サービスとセットで利用することでお得になるプランがある。この通信部分に加えて、金融サービスでもお得な特典を用意したのが「auマネ活プラン」だ。
auマネ活プランは、データ使い放題で月額7238円(税込み、以下同)。対象の固定通話サービスなどとのセット利用で「auスマートバリュー」が適用すると、最大1100円が割引になって月額6138円になる。
これに加えて、これまでのプランなら「家族割プラス」が適用され、さらに月額1100円が割引になったのだが、auマネ活プランは対象外。その代わりに毎月最大800円相当が還元される「au PAY残高還元特典」が受けられる。この特典はau PAYカード会員なら月300円、auじぶん銀行の口座保有で月300円、auの通信料を支払うことで月200円の還元が得られるというもの。ただし家族割を受けていた人には300円のマイナスになるので、あまりメリットは感じない。なお各種割引適用後は実質月額5338円になる。
KDDIグループではネット銀行のauじぶん銀行を始めとして金融サービスを拡大。クレジットカードのau PAYカード、コード決済サービスのau PAY、ネット証券のauカブコム証券など、さまざまな金融サービスを提供している。auマネ活プランの契約者がこれらの金融サービスを利用することで、ポイント還元がアップするなどの「サービス利用特典」を受けられる。
これらauマネ活プランのau PAY残高還元特典とサービス利用特典を最大限に受けるためには、au PAY ゴールドカード、au PAY、auじぶん銀行、auカブコム証券の利用が必要。ではいったいどれくらい得できるのだろうか?
auマネ活プランでどれくらい得できるのかシミュレーションしてみた。
【特典1】の通信料金ゴールドカード特典では、通常1%(100円で1ポイント)+ゴールド特典9%(税別1000円ごとに90ポイント)+マネ活プラン特典12カ月限定最大10%(税別1000円ごとに100ポイント)となる。auスマートバリューが適用した月額5580円(税込み6138円)で計算すると、月合計最大1011ポイント、年1万2132ポイントがたまる。
【特典2】のau PAY 決済特典では、通常0.5%(200円で1ポイント)+ゴールド特典1%(100円ごとに1ポイント、上限月1000ポイント)+マネ活プラン特典0.5%(200円ごとに1ポイント、上限月最大150ポイント)となる。マネ活プラン特典の上限を考えると、月3万円までの決済なら特典が受けられる。月々3万円のチャージと決済で、月合計最大600ポイント、年7200ポイントがたまる。
【特典3】のau PAY カード決済特典では、通常1%(100円で1ポイント)+マネ活プラン特典0.5%(200円ごとに1ポイント、上限月最大250ポイント)となる。マネ活プラン特典の上限を考えると、月5万円までの決済なら特典が受けられる。月々5万円のカード決済で、月合計最大750ポイント、年9000ポイントがたまる。
【特典4】の金利優遇特典は、通常金利年0.001%。これが最大0.30%になるので、実に300倍の金利が得られるということ。auマネ活プランの金利優遇は平均残高1000万円までになる。だが1000万円を普通預金に入れておくのは現実的ではないので、平均残高100万円とした場合、税引き後の受取利息が1年間で通常9円のところ、2391円になる。
【特典5】のクレカ積立特典では、通常1%+マネ活プラン加入特典0.5%+ゴールド&NISA特典12カ月限定1.5%(以降0.5%)となる。毎月の積立金額は100円から5万円までで、毎月5万円をクレカ積立すると、月合計最大1500ポイント、年1万8000ポイントがたまる。
特典4は各自、貯蓄額が異なるので計算に入れないとして、それ以外を合計すると月3861ポイント、年4万6332ポイントがたまる。ここからau PAY ゴールドカードの年会費1万1000円を差し引いても、3万5332ポイントがお得になる計算だ。
なお、12カ月限定の特典が終了した後の2年目は、特典1が月合計最大511ポイント、年6132ポイントとなり、特典5は合計最大1000ポイント、年1万2000ポイントになる。2年目の合計は月2861ポイント、年3万4332ポイントがたまる。ここからau PAY ゴールドカードの年会費1万1000円を差し引くと、2万3332ポイントになる。
特典1〜3、5は最大で計算しているのでこれ以上のポイント還元は得られないが、計算に入れなかった特典4の普通預金の金額次第では得られるポイントがもう少し増えるかもしれない。ここまでの還元ポイントを表にまとめてみた。
特典2と3は毎月にどれくらいの決済をするかによって還元ポイントは変わってくるが、au PAYの決済で2%、au PAY ゴールドカードの決済で1.5%のポイントが得られるのはかなり高還元率。しかも一番のメリットは、NISA口座のクレカ積立で3%のポイント還元が得られることだ。翌年以降は2%になるものの、投資信託の積立でこれほどのポイント還元が得られるサービスはそうない。
auマネ活プランはデータを多く使い、これからNISA口座を開設して資産運用したいと考えている人に特におすすめといえる。
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