既報の通り、KDDIと沖縄セルラー電話は9月1日から、auスマートフォン向けの新料金「auマネ活プラン」の提供を開始する。プラン自体は既存の「使い放題MAXシリーズ」をベースとしており、auフィナンシャルグループ(auFG)の金融サービスを契約するとより多くの還元を受けられるという組み立てである。
両社はなぜ、このような新プランを考案したのだろうか。
KDDIでは、経営ビジョンとして「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を掲げている。このビジョンにおいて、同社グループは「社会を支えるプラットフォーマー」を目指すと宣言している。
2022年度から2024年度までの中期経営計画では、このビジョンを実現するための一環として「サテライトグロース戦略」を掲げている。これは5Gによる通信事業を進化させ、それを軸として5つの「注力領域」の成長を促進する、という戦略だ。
この戦略における注力領域の1つが、金融である。グループの決済・金融事業を再編すべく、KDDIは2019年に中間持株会社である「auフィナンシャルホールディングス」を設立した。これにより、KDDIの決済・金融子会社/関連会社はauフィナンシャルホールディングスの傘下に入ることになった。
孫会社になったとはいえ、KDDIは傘下に「銀行」「カード会社」「損害保険会社」「プリペイドマネー発行事業者」などを抱え、関連会社まで含めれば「証券会社」もある。この“幅広さ”は、NTTドコモやソフトバンクにはない強みである(※1)。
(※1)誤解のないように記しておくと、NTTドコモやソフトバンクも自社、あるいは子会社を通して金融事業を行っている。しかし、KDDI(auフィナンシャルホールディングス)ほどの幅広さはない――そういう意味である
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