Sペン×AIの新フラグシップ「Galaxy S24 Ultra」登場 シリーズ初のチタンフレーム採用

» 2024年01月18日 03時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 Samsung Electronicss(サムスン電子)は1月17日(米国東部時間)、新型スマートフォン「Galaxy S24シリーズ」を発表した。この記事では、フラグシップモデルとなる「Galaxy S24 Ultra」について、概要をお伝えする。

 なお、Galaxy S24シリーズの日本における展開は未定だ。

【更新:9時55分】米国における価格情報を追記しました。また、画像を追加しています。

Galaxy S24 Ultra Galaxy S24シリーズのフラグシップ「Galaxy S24 Ultra」がいよいよ登場する

Galaxy S24 Ultraの概要

 Galaxy S24 Ultraは「Galaxy S23 Ultra」の後継モデルで、シリーズとしては初めてボディーフレームにチタニウム(チタン)素材を採用したことが特徴だ。ボディーカラーも全て「Titanium」を冠しており、グローバルではTitanium Black(チタニウムブラック)、Titanium Violet(チタニウムバイオレット)、Titanium Gray(チタニウムグレー:メインカラー)、Titanium Yellow(チタニウムイエロー)の4色をそろえている。メーカー直販を行う一部の国/地域では、直販限定カラーも別途用意する。

 米国におけるアンロック(SIMフリー)モデルの直販価格(税別)は、256GBモデルが1299.99ドル(約19万3000円)、512GBモデルが1419.99ドル(約21万400円)、1TBモデルが1659.99ドル(24万6000円)となる。

グローバルの4色 グローバルで用意されるカラーは、左からTitanium Black、Titanium Violet、Titanium Gray、Titanium Yellowの4種類だが、実際に投入されるカラーは国/キャリアによって異なる
限定色 米国の直販サイトでは、左からTitanium Blue(チタニウムブルー)、Titanium Green(チタニウムグリーン)、Titanium Orange(チタニウムオレンジ)の3色も取りそろえている

SoCは引き続き「クロック引き上げ版」 AI推しもさらに推進

 SoC(プロセッサ)は、全世界共通でQualcomm製の「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」を採用する。このSoCはQualcommが2023年11月に発表した「Snapdragon 8 Gen 3」をベースに、CPU/GPUコアやNPU(推論プロセッサ)の動作クロックを引き上げたカスタマイズ品となる。冷却に利用するベイパーチャンバー(液体を封入した冷却ユニット)の面積は先代の1.9倍となり、冷却効率が向上した。

 メインメモリは12GBを備え、ストレージの容量は256GB/512GB/1TBの3種類が用意される。OSはAndroid 14をプリインストールしている。

 本機を含むGalaxy S24シリーズは、オンデバイス処理とクラウド(オンライン)処理のAI(人工知能)機能を「Galaxy AI」というブランドで訴求しており、「通話アプリにおけるリアルタイム文字起こし/翻訳」「ボイスレコーダーアプリでの文字起こしと自動要約」といった新機能が多数搭載されている。

Galaxy AI ベースのSoC(Snapdragon 8 Gen 3)と同様、Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxyでは特にNPUの性能が大きく向上している。そのことを生かして、プリインストールアプリにおけるAI機能が拡充している。ただし、利用にはSamsungアカウント(旧Galaxyアカウント)でのログインが必須となるので注意したい
ライブ翻訳 音声通話時にリアルタイムで翻訳を行う「ライブ翻訳」は、日本語を含む13言語で利用できる。本機能は“完全な”オンデバイス処理となるため、プライバシー面での心配は無用だ

ディスプレイはより明るく、より頑丈に

 ディスプレイは6.8型のDynamic AMOLED+(有機EL)を搭載している。解像度はWQHD+(1440×3088ピクセル)で、指紋センサーと環境光センサーが埋め込まれている他、インカメラ周辺部にパンチホール(穴)が開けられている。リフレッシュレートは1〜120Hzの可変式で、最大輝度は2600ニト(ビジョンブースター利用時)に引き上げることで屋外での視認性をさらに高めている。

 画面ガラスは、Corning製の「Gorilla Armor」を採用している。従来モデルと比べると、耐傷性や耐衝撃性は4倍になったという。またコーティングに工夫を凝らすことで、光などの反射を最大で75%低減している。

 ここ数年のUltraシリーズと同様に、本機も「Sペン」によるペン入力に対応している。Sペンのスペックは先代とおおむね同様だが、Galaxy S24シリーズに先行実装される「囲って検索(Circle to Search with Google)」など、ペンを使うと便利な機能が新たに実装された。

ディスプレイ ディスプレイのサイズと解像度はGalaxy S23 Ultraから据え置かれているが、最大輝度は1750ニトから2600ニトに引き上げられている
Sペン 最近のUltraシリーズのご多分にもれず、Sペンも標準装備されている
Google検索 Googleアプリに新たに実装される「囲って検索」。その名の通り、画面を指(またはスタイラスペン)で囲むとイメージ検索をしてくれるというもので、ごく一部の画面を除いてホームボタン(またはナビゲーションバー)を長押しすることで呼び出せる。なお、この機能はGalaxy S24シリーズに「先行実装」されるもので、他メーカーのAndroid端末にも搭載される可能性がある

アウトカメラは望遠を強化 AIを使った撮影機能も

 アウトカメラはクアッド(四眼)構成で、センサーやレンズの仕様は以下の通りとなる。

  • 超広角カメラ:約1200万画素/F2.2/デュアルピクセル対応/画角120度
  • 広角カメラ(メイン):約2億画素/F1.7/クアッドピクセル対応/光学式手ブレ補正対応/画角85度
  • 望遠カメラ(5倍):約5000万画素/F3.4/クアッドテレシステム対応/光学式手ブレ補正対応/画角11度
  • 望遠カメラ(3倍):約1000万画素/F2.4/デュアルピクセル対応/画角36度

 先代と比べると、10倍望遠カメラ(約1000万画素)が5倍望遠カメラ(約5000万画素)に置き換えられていることが大きなポイントだ。望遠倍率こそ下がっているが、自社独自の「クアッドテレシステム」によって「2倍」や「5〜10倍」のズームも光学ズームと同等の画質を確保できるようになっているという。デジタルズームは従来モデルと同様に最大100倍まで対応しているが、画像処理の改良で画質を改善したという。

 この光学5倍カメラは、センサーサイズを先代の10倍望遠カメラの約1.6倍の1.4μmとした上で、光学式手ブレ補正(OIS)の適用可能角度を約2倍に拡大している。これにより、手ブレの少ない動画を撮りやすくなった。暗所(夜景)での動画撮影時は、本体のジャイロスコープを活用して「撮影者の動き」と「被写体の動き」を解析することで効率的なノイズ除去を実現したそうだ。

 インカメラはシングル(単眼)構成で、約1000万画素センサー(F2.2/デュアルピクセル対応/AF対応/画角80度)を搭載している。

 ギャラリーアプリにも改良が加えられ、Galaxy AIを活用した「ジェネレーティブ編集」が搭載された。この機能では、「写真の角度補正」「レタッチ時の背景補完」「人物/オブジェクトの移動」といった生成AIを生かした編集を行える。

アウトカメラ アウトカメラは先代と同様にクアッド構成だが、「10倍望遠カメラ」が「5倍望遠カメラ」に置き換えられた
暗い所でもいい感じ 新搭載の10倍望遠カメラはセンサーサイズんも大きく、より多くの光を集めることで暗所でも明るく撮影できるようになったという
インカメラ インカメラは先代と同じスペックのようだ

 バッテリー容量(定格)は5000mAhで、USB PD(Power Delivery)規格に準拠した急速充電に対応しており、45W出力のUSB PD充電アダプターを用意すれば、30分間の充電で約65%の充電を行える。自社独自の「Fast Wireless Charging 2.0」規格と、Qi(チー)規格のワイヤレス充電にも対応している。

 モバイル通信は5G NRとLTEに対応している。Wi-Fi 6E(6GHz帯対応のIEEE 802.11ax)とBluetooth 5.3での通信も可能だ。

 ボディーの寸法は約79(幅)×162.3(高さ)×8.6(奥行き)mmで、重量は約233gとなる。IP68等級の防塵(じん)/防水性能も確保している。

上部 本体上部には2基の集音マイクが備わる
下部 本体下部にはSペン用ホルダー、スピーカー、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子(充電/映像出力兼用)、受話マイクとnanoSIMカードスロットが備わる
左側面 本体左側面には何もない
右側面 本体右側面には電源ボタンとボリュームボタンがある

日本でも実機展示を実施

 Galaxy S24シリーズの日本での展開は未定だが、1月17日から以下の施設でグローバル版(※1)の実機が展示される。

  • Galaxy Harajuku(東京都渋谷区)
  • Galaxy Studio Osaka(大阪市中央区)

 気になる人は足を運んでみてほしい。

(※1)海外で販売される仕様の本体(どこの国/地域向けのモデルかは明言されていない)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年