月額1万円超えで200GBは誰向け? イオンモバイル新料金プランの狙い MVNOで中・大容量プランの競争が激化石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2024年03月16日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 MVNOのイオンモバイルが、4月1日に料金プランを改定する。中容量帯の30GBから50GBを値下げするとともに、60GB以上のデータ容量を選択可能にする。改定後の最大容量は200GB。これを家族でシェアすることで、1人あたりの料金を節約できるというのが改定の狙いだ。背景には、データ使用量の増加や、シェアの利用が拡大していることがあるという。ここでは、その中身や、イオンモバイルの狙いを解説する。

イオンモバイル イオンモバイルが、4月1日に料金を改定。一部プランの値下げと、中・大容量のデータ容量を新設する

データ容量を最大200GBに拡大、家族シェア前提での安さを打ち出す

 イオンモバイルは、4月1日に料金プランを一部改訂する。目玉になりそうなのが、「さいてきプランMORIMORI」に追加するデータ容量だ。同社の現行料金プランは主に「さいてきプラン」と「さいてきプランMORIMORI」の2つに分かれており、前者は0.5GBから10GBまでを用意。1GB以上は1GB刻みでデータ容量が用意されており、細かなユーザーのニーズに応えている。これに対し、さいてきプランMORIMORIは、20GBから50GBまでを10GB刻みで展開する。

 このさいてきプランMORIMORIに、50GB超のデータ容量が追加される。新設されるのは、60GBから100GB。その上に、150GBと200GBの超大容量プランも加わる。料金は、音声プランの場合、60GBが4158円。10GB増えるごとに550円上がっていき、200GBは1万1858円で利用できる。また、30GB、40GB、50GBは料金を値下げし、音声プランでそれぞれ2508円、3058円、3608円になる。

イオンモバイル
イオンモバイル 50GBの上に、60GB、70GB、80GB、90GB、100GB、150GB、200GBを設けて中・大容量の選択肢を一気に広げる
イオンモバイル 30GB、40GB、50GBは料金を値下げし、利用を促進していく構えだ

 安さが売りのMVNOだが、さいてきプランMORIMORIは音声プランが20GBで1958円。大手キャリアのオンライン専用プラン/ブランドと料金水準は近い。100GBプランに至っては6358円で、「ahamo大盛り」を4958円で提供しているドコモよりも高くなってしまう。ただし、これは1人で利用した場合の話。さいてきプランMORIMORIはデータ容量のシェアに対応しており、複数人で使うと料金が安くなる仕組みだ。

 例えば、20GBプランを家族4人で利用した場合、1人あたりのデータ容量は5GBだが、料金は4人全員で3168円しかかからない。1人あたりの金額に換算すると792円。MVNOの5GBプランはおおむね1000円前後で提供されているが、1人あたりの金額はその水準を下回る。また、20GBプランを2人でシェアした場合はそれぞれ10GBずつ利用でき、1人あたり1254円、計2508円の料金がかかる。大手キャリアとの比較したときだけでなく、MVNOの中でも安い料金といえる。大容量プランを追加するのは、この特徴をさらに強化するためだ。

イオンモバイル 中・大容量は家族でシェアしながら使うことを前提に設計しているという。写真は20GBを5人でシェアした場合のケース
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