インタビュー
» 2021年05月11日 06時00分 公開

なぜ10GBまで1GB刻みに? 「イオンモバイル」新料金プランの狙いを聞くMVNOに聞く(1/4 ページ)

4月1日に料金プランを改定したイオンモバイルは、値下げするのと同時に、10GBまでのデータ容量を1GB刻みにした「さいてきプラン」を導入。値下げの反響は大きかったというイオンモバイルだが、1GB刻みのデータ容量を、本当にユーザーが選べるのか。そこには、データの繰り越しと、プラン変更のしやすさが関係していた。

[石野純也,ITmedia]

 大手キャリアがオンライン専用プラン、ブランドを導入し、メインブランドでの値下げにも踏み切る中、MVNO各社も対抗策を打ち出している。「イオンモバイル」を展開するイオンリテールも、その1社だ。同社は4月1日に料金プランを全面改定。既存のユーザーに対して値下げするのと同時に、10GBまでのデータ容量を1GB刻みにした「さいてきプラン」を導入し、その細かさが話題を集めた。

 10GB超の料金プランも「さいてきプラン MORIMORI」と位置付け、値下げした。20GBの料金は2398円(税込み、以下同)と、大手3キャリアのオンライン専用プランより低い価格を打ち出している。また、60歳以上限定で500kbpsに通信速度を絞った低料金の「やさしいプラン」も、さらなる値下げに踏み切った。繰り越しなど、従来プランで好評だった特徴は継承する。

イオンモバイル 4月1日から料金プランを改定したイオンモバイル
イオンモバイル
イオンモバイル 新料金プラン「さいてきプラン」。音声プランとデータプランは、1GBから10GBまで1GB刻みで料金を設定している

 値下げの反響は大きかったというイオンモバイルだが、1GB刻みのデータ容量を、本当にユーザーが選べるのか。新料金プラン導入の狙いや、4月1日以降の反響を同社に聞いた。インタビューには、イオンリテールの住居余暇・H&BC本部 アプライアンス商品部 モバイルユニット ユニットリーダーの河野充宏氏、同 イオンモバイル商品マネージャーの井原龍二氏、同 イオンモバイル通信開発リーダーの間野耕司氏が答えた。

携帯業界以外では、ユーザーが自由に選べる環境がある

イオンモバイル イオンリテールの住居余暇・H&BC本部 アプライアンス商品部 モバイルユニット ユニットリーダーの河野充宏氏

―― 10GBまでの料金プランが1GB刻みというのは、驚きました。なぜこのような料金プランを打ち出したのでしょうか。

河野氏 菅(義偉)総理が「値下げの余地がある」と発言したあと、大手キャリアのサブブランドがまず値下げをしました。それで終わりかと思っていたところに、12月3日のahamoの発表があり、20GBで3278円(現在は2970円)という衝撃的な価格を打ち出しています。ahamoは20GBでワンプランだったので、そこまで使うかという感覚はありましたが、一方でMNOがそこまで下げてくると価格だけでは差別化が図りづらくなります。どうやって競合他社と差別化していくかは考えました。

 それと同時に、イオンモバイルではお客さまの声を常に伺っています。12月に行ったユーザーアンケートで多かったのは、繰り越しプランに対する評価の高さで、これは私たちの想像以上でした。もともと2GB刻みの料金プランをやっていましたが、そこが自分にピッタリ合っているという評価が多かったんですね。それを踏まえ、お客さまにとってどんな料金プランがいいのかを考えていきました。

 他社の料金プランを見ると、3GBの上が一気に15GBや20GBに跳ね上がってしまうことがあります。それがお客さまにとって便利かというと、そうではありません。例えば、ランチに行ったときに、お腹が空いていればたくさん食べますが、ウエストが気になるから少し減らしたいということもありますよね。洋服も、たくさんサイズがあり、選べるようになっています。つまり、携帯業界以外では、お客さまが自由に選べる環境が当たり前のようにあるということです。

 総務省の統計を見ると、8割の方のデータ通信量は10GB未満です。であれば、10GB未満に特化した方がいいということで、1GB刻みで100円(税別)ずつ違うプランにさせていただきました。その中で1つ重要な決定もしています。既存のユーザーに対する値下げもしっかりしました。イオンモバイルは、50万以上のお客さまに支えられているので、まずそこに対する値下げをする決定をした後、料金プランの検討をしました。ARPUが下がる決定ですが、狙い通りの評価をいただいています。

イオンモバイル 改定前後の料金比較(こちらは税別)

―― アンケートの結果を、もう少し詳しく教えていただけますか。

井原氏 12月末にマイページで募集し、1011人からアンケートを取りました。利用をし続けたい、利用したい、他の人に推奨したいというユーザーをロイヤルカスタマーと位置付け、もともと契約前にどういうことを期待していたかを伺っています。安くなることや、料金プランが分かりやすいことは、想像通りでした。

 一方で、契約後にどうだったかを伺うと、余ったデータ容量が繰り越せることが一番大きな結果として出ていました。こんなに繰り越しがいいのであれば、1GB刻みにすればもっとよくなるのではということで、今の料金プランを作っています。以前の料金プランは、データ容量が偶数だけでしたが、小刻みにすることで結果的に簡単に選べるようになりました。例えば、4GBだと、UQ mobileと比較しても1200円ぐらい差が出るようになっています(UQ mobileは3GBの次が15GBのため)。

イオンモバイル イオンモバイルのロイヤルカスタマーは、データ容量の繰り越しに最も満足していることが分かった
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