Huaweiのスマートフォンの存在感が復活しています。2023年8月に中国でリリースした「Mate 60」シリーズは久々の自社開発プロセッサを搭載して5Gにも対応。中国国内でiPhoneを超える人気といわれています。その勢いは年末になっても衰えず、2023年12月には「nova 12」シリーズが発売されました。最上位モデルの「nova 12 Ultra」は衛星通信にも対応する5Gモデルです。
nova 12シリーズは他にも「nova 12 Pro」「nova 12」と合計3モデルがあります。nova 12 Ultraとnova 12 Proは基本スペックは同等、nova 12 Ultraは中国の天通衛星通信を使ったメッセージや通話に対応するとのこと。インカメラもデュアル仕上げなのが特徴で、5000万画素のアウトカメラよりも高画素の6000万画素を搭載しています。なおディスプレイサイズは6.76型、1224×2776ピクセルです。
本体サイズは74.96(幅)×163.14(高さ)×7.68(奥行き)mm、201g。厚みを抑えたことからかバッテリー容量は4600mAhとやや少な目です。とはいえ、100Wの急速充電に対応します。
nova 12 Ultraには4色のカラバリがありますが、製品名にちなんだ「12号色」と名付けられたブルーのモデルは高級・上質な仕上げです。厚手のヴィーガンレザーに「nova」の製品名をエンボス加工して彫り込んでいます。novaのブランドそのものを大きくアピールした製品になっているのです。なお、中国ではnovaの名前はかなり知られています。
衛星通信機能は天通衛星通信と北斗衛星通信に対応。北斗の方は搭載モデルが増えており、双方向メッセージングに対応します。アプリから衛星の位置情報なども分かるあたりは使いやすそうです。
さて、最大の特徴であるデュアルインカメラは、6000万画素の広角と800万画素の超広角を搭載します。他社のデュアルインカメラモデルは片方が深度測定カメラというものもありますが、nova 12 Ultraは集合セルフィーも撮りやすいように超広角カメラも搭載しているのです。
実際に自撮りしてみましたが、男性でも違和感のない仕上げになると感じました。今や自撮りカメラでの美顔効果は「いかにも加工」といった仕上げになるものはほとんどありません。
アウトカメラは5000万画素広角と800万画素超広角の2つ。深度測定や望遠を搭載せずある程度割り切っていますが、nova 12 Ultraのターゲットユーザーが自撮りやライブ配信ユーザーということなのでしょう。
本体の触り心地がよく、デザインセンスも悪くないため、持っていて人に見せたくなる外観のスマートフォンといえます。なお、「nova design collection」として同じデザインのバッグなども販売されるそうです。
高倍率の望遠撮影をしない限り、nova 12 Ultraのアウトカメラも十分実用的です。インカメラにフォーカスしたnovaシリーズもこのモデルで12世代目ということになりますが、それだけ根強い需要があるということなのでしょう。スマートフォンの背面仕上げはさまざまなアイデアが実用化されていますが、nova 12 Ultraのエンボス加工もいずれ他のメーカーが採用するかもしれません。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.