Huaweiが2023年3月に発表した折りたたみスマートフォン「Mate X3」は登場時に世界最薄折りたたみモデルとして話題になりました。その後HONORの「Magic V2」に厚さと重量は抜かれましたが、9月に突如「Mate X5」を発表。Mate X3の後継機ではなく、プロセッサを変更し5Gに対応したといわれる上位モデルです。
Mate X5の主なスペックは、ディスプレイが7.85型(2496×2224ピクセル)+アウトディスプレイが6.4型(2504×1080ピクセル)、バッテリーは5060mAhで66Wの急速充電、50Wの急速無線充電に対応します。このあたりの基本スペックはMate X3と全く変わりません。なお、画面上にGoogleサービスが見えますが、これは実機をテストした香港の輸入販売店が独自に入れたもので、実製品はGMS非搭載です。
カメラは5000万画素+1300万画素超広角+1200万画素5倍望遠。インカメラはどちらのディスプレイにも800万画素を搭載。これらもMate X3と同等です。
本体サイズは閉じると141.5(幅)×156.9(高さ)×5.3(奥行き)mm、開くと72.4(幅)×156.9(高さ)×11.08(奥行き)mmでこれまたMate X3と変わりません。ただし重量は243gまたは245gで、Mate X3の239gまたは241gよりわずかに重くなっています。恐らくボディーは同一のものを使っているのでしょう。
さて、Mate X5は一般的には“ありえない”売り方で販売されています。ほぼ同時期に発売された「Mate 60」シリーズと同様に、プロセッサの情報が不明なのです。一説にはHuawei子会社HiSiliconの「Kirin 9000s」を搭載しているといわれていますが、Huaweiからは一切の公式アナウンスはありません。
ネットワーク周りの設定を見ても、一般的なスマートフォンにある通信方式の切り替え設定がありません。Huaweiのスマートフォンの場合はAPN設定の上にネットワークの切り替えが見えるはずですが、Mate X5にはありません。また、アンテナピクトを見ても通信方式が見えません。
ではMate X5は5G対応なのでしょうか? デモ機のためアプリを入れることができず、外にも持ち出せないため、室内でスピードテストを行ってみました。下りは135Mbpsで4Gでも出そうな速度です。画面左側には「LTE SmarTone HK(接続キャリア名)」の文字も見えます。
次にGalaxy Z Fold5を4Gモードにして同じSIMカードでスピードテストを行うと、下りは34Mbpsでした。Mate X5の方が4Gでも高速なのか、それとも実は5Gにつながっているのか。これだけでは断言できないので、今後Mate X5あるいはMate 60を使って屋外で試してみたいものです。
プロセッサ不明、通信方式不明ながらもMate X5の中国での販売は好調で、このあたりはまだまだHuaweiに対して消費者が絶対的な信頼を寄せているということなのでしょう。今後もHuaweiのフラグシップモデルは同様にプロセッサ不明のまま販売されるのか、気になるところです。
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