スマートフォンを中心としたリファービッシュ製品を取り扱うBack Marketが4月16日、メディア向け説明会を実施。同社が掲げるビジョンや日本における戦略を説明した。日本では成長率が世界で最も高く、一般的な中古市場とは異なる属性のユーザーが利用しているという。
Back Marketは、リファービッシュ製品を販売するためのプラットフォームを提供している企業。2014年にフランスで設立し、当初は欧州と米国で展開。2021年に日本で事業を開始し、現在は18カ国で事業を行っている。
リファービッシュは日本でいうと「整備済製品」。中古品として回収した製品を検査、クリーニングし、必要に応じて修理した製品。全ての機能が正常に動作することを確認している。中古品との違いは、製品の品質を担保しているところにある。Back Market Japanの山口亮取締役は、「基本的には、中古品よりも品質が高く、新品よりも安い、いいとこどりをした製品」だと説明する。
Back Marketが掲げるミッションは、買い取りや修理を通じて電子機器の寿命を延ばすこと。創業者であるティボー・ユグ・ドゥ・ラローズCEOは、「リファービッシュ製品を第1の選択肢にしたい」と意気込む。
加えて、同社はリファービッシュ製品を提供することで、環境への負荷を低減することも目指している。電子機器を製造することで多量の二酸化炭素が排出されるが、リファービッシュ製品が浸透すれば、二酸化炭素の排出量を減らせる。ラローズ氏は「iPhoneの新品を生産して納品するまで、84.4kgの二酸化炭素が排出されるが、同じ機種のiPhoneでリファービッシュ製品を提供すると、二酸化炭素の排出量は7kgで済む」と例を出す。「新品ではなくリファービッシュ品を選択する度に、90%の二酸化炭素排出量を削減できる」(同氏)
リファービッシュ製品はBack Marketが直接販売しているわけではなく、販売業者が中古製品を売るための場所を、同社が提供している。Back Marketは「販売業者」と「ユーザー」を仲介する役割を担っていると考えると分かりやすいだろう。マーティン・ウグリCCO(Chief Commercial Officer)は、「Back Marketの役割は需要と供給をマッチさせ、業界基準を作っていくこと」だと話す。この基準があることで、例えば中古端末が盗品であっても判別できるという。「Back Marketの中核には品質がある。品質があって初めて、供給と需要をマッチさせることができる」(ウグリ氏)
Back Marketのビジネスモデルは「手数料」に基づいている。製品に販売に対して約10%の手数料を、プラットフォームの使用料として製品価格から1%未満の手数料を販売業者から徴収している。また、同社はカスタマーサポートや保証サービス、物流や決済サービスも提供しており、こられの手数料も同社の売り上げにつながっている。
販売業者はBack Marketの厳格な審査を通過する必要があり、販売する際も、Back Marketが設けた28のチェックポイントを検証する必要がある。チェックポイントはボタン、カメラ、各種センサー、Wi-FiやBluetooth、マイク、スピーカー、タッチパネル、バッテリーなど多岐にわたる。日本では40〜50社の販売業者がBack Marketに登録しているという。
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