夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」でモバイル通信は快適だったのか auの取り組みを聞く(2/2 ページ)

» 2024年08月11日 11時45分 公開
[小山安博ITmedia]
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4キャリア+Starlinkでスピードテストを実施

 KDDI側の対策としては、会場周辺の既存基地局を5G(NR)化。さらに会期中は基地局車を3台導入して通信環境の改善を図った。こちらもNR化したことで通信容量が前年比で1.6倍となった。さらに1台にはMassive MIMOを導入することで、従来よりも安定した通信を目指した。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 KDDIが導入した基地局車
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 こちらはミリ波も搭載している

 これに加えて、Starlink導入も考慮したエリア設計をして、混雑エリアのトラフィックをStarlinkに逃せたことで、基地局のトラフィック増を緩和できたという。同社はミリ波アンテナを搭載した基地局車も投入したが、Massive MIMOアンテナの効果を測定して、効果が高いと判断すれば今後はミリ波ではなくMassive MIMOアンテナに置き換える(排他のため)考え。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 こちらはMassive MIMOアンテナを搭載したもの

 今回、実際に現地でスピードテストの測定をしてみると、比較的良好なau回線に対して、他キャリアではエラーになることもあり、来場者の通信を制御し切れていない様子がみて取れた。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 グッズ&クロークエリアにおけるスピードテストの結果(測定場所から撮影のために移動している)。左から2番目がau、右から1番目がStarlink

 ただ、イベント全体としては人が多く集まる飲食エリアやクロークエリア、テントエリアにStarlinkを配したことで、「少し移動してWi-Fiがつながれば通信ができる」という状況になった。その結果、問題を指摘する声が減ったというのが運営側の分析だ。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 テントエリアにおける某キャリアの測定結果。エラーが出てしまった(写真=左)。そこでStarlinkに接続して測定(写真=右)
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 テントエリアでの測定結果。某キャリアはエラーだった。auが高い性能を出しているのが分かる
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 ちなみにKDDIではブースも設けており、最もニーズが高いという充電スポットに加えてフォトスポットを用意。係員がPixelで撮影して、編集マジックを使って補正した画像を提供する、というサービスを行っていた
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 KDDIは別の夏フェスでもこうしたブースを出展しており、係員が撮影してくれるので思い出写真が残せるので人気のコーナーになっていた
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 これは写真内のひまわりを大きくしたというもので、編集した画像をダウンロードできる、というサービスとなっていた
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 来場者にはペットボトルホルダーやステッカーもプレゼントしていた

 現代では、夏フェスのような大型イベントでは、安定した通信環境が不可欠になっている。「ここまでの広大なエリアでWi-Fiがつながるようなサービスを提供しているフェスは他にはない」と運営チーフは胸を張り、「そもそも暑くて決して快適ではない」(同)という野外フェスにおいて、トイレ、飲食と並んで通信においても快適さを提供することで、イベントのイメージ向上や集客につなげていきたい考えを示している。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 人が集まるようなエリアにStarlinkのAPを設置することで、快適な通信を提供。イベントのブランド向上を狙う(提供:ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024)
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