グローバルでシェアトップグループを走るサムスンも、中国市場では苦戦しています。中国で人気のモデルは折りたたみの「Galaxy Z」「Samsung W(心系天下)」シリーズで、グローバルではどこの国でも売られている「Galaxy S」「Galaxy A」シリーズの人気はありません。
中国メーカーが毎月のように新製品を出す中で、グローバルと歩調を合わせた年に1度のモデルチェンジでは中国の消費者の心をつかむことが難しいのでしょう。しかも最近の中国メーカーのスマートフォンは低価格モデルながら高い質感のモデルも増えています。
そんな中国市場で存在感を出そうと「Galaxy C55」が発売されました。「Galaxy C」シリーズは2016〜2017年に中国向けに数機種販売されたものの長続きせず、今回は約7年ぶりの復活となります。
Galaxy C55のベースモデルはインドなどで販売されている「Galaxy M55」です。インドでは同型機として「Galaxy F55 5G」も出ていますが、前者がAmazon、後者がFlipkartとインド最大クラスのECサイト向けに販売されています。プロセッサはQualcommのSnapdragon 7 Gen 1、6.7型ディスプレイ、5000万画素+800万画素(超広角)+200万画素(マクロ)のトリプルカメラ、5000万画素のインカメラを備えており、5000mAhバッテリーは45W充電に対応します。
最大の特徴は背面仕上げで、ヴィーガンレザーに左右の端にはステッチ風の飾りも入れられています。Galaxy C55のスペックはミドルレンジ、価格は2299元(約5万1000円)ですが、背面を見るとより上のクラスの製品に見えます。
この布を糸で縫い込んだかのような仕上げは、以前「GALAXY Note 3」などでも見られました。高級感がありスーツ姿にも似合います。Galaxy C55のターゲットユーザーは価格だけに敏感な層ではなく、モノとしても満足できるような高い仕上げでコスパもいいモデルを求める層なのでしょう。
カメラ性能は価格を考えると一般的ですが、ベースモデルがインドのためか、インカメラの画質がかなり高いのもGalaxy C55の特徴になっています。セルフィーをよく撮る女性ユーザーは直接のターゲットではないでしょうが、ある程度の年配者でも自分の顔がより鮮明にきれいに撮れるとうれしいでしょう。Galaxy C55の人気がある程度高まれば、2025年以降も価格を抑えながら高級仕上げにしたモデルとして後継機が出てくることでしょう。
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