サムスンのミドルレンジモデルとして日本では「Galaxy A54 5G」が発売されます。6.4型ディスプレイに5000万画素広角カメラを搭載。超広角が1200万画素、マクロが500万画素と、一般的なミドルレンジモデル(800万画素超広角、200万画素マクロ)よりもサブカメラ性能も高い点が特徴です。キャリアから販売される予定で、価格も抑えられていることから、5Gユーザー獲得の戦略的モデルにもなるでしょう。
日本と同様にキャリア主導の端末販売が行われている韓国でも、同様にコスパを重視したミドルレンジの5Gモデル「Galaxy A34 5G」が発売されました。Galaxy A54 5Gの兄弟機ともいえる製品です。
Galaxy A34 5Gは6.6型(1080×2340ピクセル)のディスプレイを搭載。インカメラは水滴型ノッチで1600万画素です。Galaxy A54 5Gは6.4型でピクセルサイズは同等、フロントの3200万画素カメラはパンチホールで、このあたりの性能はうまく分けています。
カメラは4800万画素+800万画素超広角+500万画素マクロ。ミドルレンジ機として一般的な仕上がりです。カメラを3つ縦に並べるのが最近のGalaxyシリーズの特徴で、これをアイコニックなデザインにしています。とはいえ、実はどのモデルも同じに見えてしまうのではないかな、と筆者はやや感じてしまいます。ケースをつけて使う人も多いでしょうけれど、カメラ周りに余計な数値などの印刷がないのはシンプルな外観で好感が持てます。
本体側面はカーブしたデザインで、これはGalaxy A54 5Gと同等。最近は角を立てたモデルが増えていますが、手に持ってみるとこちらの方が持ちやすいように感じます。指紋認証センサーはディスプレイ埋め込み型なので、電源キーも側面にうまく合わせた形状になっています。
Galaxy A34 5GとGalaxy A54 5Gの写真を並べてみました。インカメラ周囲のデザインがが異なりますが、下位モデル、上位モデルというイメージが湧くでしょうか?
カメラのUI(ユーザーインタフェース)はGalaxyシリーズ共通のもので、倍率タップで切替、倍率長押しでデジタル望遠(最大10倍)に。また画面上から画像サイズ変更と、4800万画素固定モードの切り替えができます。比較的使いやすいUIといえます。
ところで、韓国ではミドルレンジモデルとしてGalaxy Aシリーズ以外の製品も展開されています。これはキャリア向けのモデルで、例えばKTからは「Galaxy Jump」シリーズが展開されています。とはいえ日本で発売された「Galaxy Feel」のように韓国向けに専用に開発された製品ではなく、現行最新モデルの「Galaxy Jump2」はグローバル発売の「Galaxy M33 5G」をベースにした製品です。
また、LG U+向けには「Galaxy Buddy2」が発売中ですが、こちらは日本で販売されている「Galaxy M23 5G」と同等の製品。韓国はLGが撤退してしまったことで、事実上GalaxyとiPhoneしか選択肢がない状況になっており、Galaxy AシリーズやGalaxy Mシリーズと別の名前を付けることで製品に対しての差別化を計ろうとしているのかもしれません。
なお韓国キャリアのもう1社、シェアトップのSK Telecomからも「Galaxy Quantum」シリーズが販売されています。こちらのモデルはベースはGalaxy Aシリーズながら、量子暗号チップを搭載しており、ハードウェアに手を加えた製品となっています。ミドルレンジモデルながらも群を抜くセキュリティの高さを誇っています。
ちなみに、この量子暗号チップにはID QuantiqueとSK Telecomが共同開発した「量子乱数発生器(QRNG)」が組み込まれています。セキュリティを高めた通信は政府関連や金融系企業などに必須のものであり、2023年2月にバルセロナで開催されたMWC Barcelona 2023のSKテレコムブースにもID QuantiqueのQRNGチップが展示されていました。
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