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ドコモは「dポイントマーケット」でECの弱点を解消できるのか? 経済圏拡大には物足りない部分も石野純也のMobile Eye(1/2 ページ)

» 2024年10月05日 13時06分 公開
[石野純也ITmedia]

 NTTドコモは、10月3日にdポイントクラブを改定した。一部ランクのポイント還元率を変更するとともに、dカードを設定したd払いに対するポイントアップを実施。ドコモの通信料を支払う際には、ランクに応じた上乗せも行う。ためたポイントによって還元率が向上するのは、他の共通ポイントにないドコモ独自の仕組み。ポイントプログラム改定で、dカードシフトを敷くとともに、還元対象を決済にも広げる。

dポイントクラブ ドコモは、dポイントクラブを10月3日に改定した。ランクに応じたポイント還元率が変更になった他、新たな還元策も導入した

 一方で、ポイントをためるという観点では、課題もあった。リアル店舗の加盟店を充実させてきたドコモだが、ネットで対応しているところはまだまだ少ない。これを解決するため、新たに立ち上げるのが10月8日にスタートする「dポイントマーケット」だ。オンラインショッピングが弱点の1つだったドコモだが、この状況を挽回できるのか。その中身を見ていきたい。

「3つ星」以上の還元率低下ながら、d払いでの還元などを追加

 dポイントクラブが、10月3日に改定された。目玉になっているのは主に3つだ。1つは、還元率が1.5倍に上がる「2つ星」に上がりやすくなっていること。改定後は3カ月で50ポイントためるだけで済み、ライトユーザーでもすぐに1.5倍還元の恩恵を受けられるようになった。2つ目は、「3つ星」以上の場合、dカードを設定したd払いで追加のポイント還元を受けられるようになったことだ。最高ランクの「5つ星」の場合、通常の1%還元に加えて、さらに1%のポイントが付与される。

dポイントクラブ d払いでのポイント増額特典が追加された。ただし、支払いにはdカードを設定する必要がある
dポイントクラブ 「2つ星」へのランクアップがしやすくなっている。その基準は3カ月で50ポイント。携帯電話を契約していればすぐにたまるだけでなく、加盟店だけでも1万円分の買い物で達成できる

 3つ目は、携帯電話代金への支払いにdポイントを充当した際の上乗せだ。これは「3つ星」以上が対象で、「3つ星」が1%、「4つ星」が2%、「5つ星」になると5%まで率が上がる。例えば、ahamoの基本料金である2970円を支払う際に、「5つ星」であれば2829ポイントで足りるようになるということだ。あくまでポイントだが、携帯電話料金の割引に近く、お得感がある施策といえる。

dポイントクラブ 携帯電話代への支払いに充当した場合、「3つ星」以上だと追加の還元を受けられる

 ただし、d払いを使わない場合のポイント還元率は「3つ星」以上で悪化している。もともと「3つ星」と「4つ星」が2倍、「5つ星」が2.5倍だったため、それぞれ0.5倍ずつ還元倍率が引き下げられている。単純にdポイントカードを提示するだけでは、ポイントがたまりづらくなる。現金払いやクレジットカード、他社のスマホ決済サービスを使っていたユーザーにとっては、改悪にもなっている点には注意が必要だ。

 また、先に述べたようにd払いのポイント上乗せも、dカードを設定している場合に限られる。銀行や信用金庫からチャージした残高や、他社クレカを設定しているとポイント還元率は通常のままだ。携帯電話合算払いも対象だが、こちらもその携帯電話料金をdカードで支払っているケースに限定されるため、実質的な違いはない。こうした点を踏まえると、ドコモは、dポイントクラブの改定でより好調なdカードへのシフトを強めたといえそうだ。

 一部ユーザーにとって改悪になった新たなdポイントクラブだが、競合の共通ポイントで同様の仕組みを採用しているところは見当たらない。「2つ星」以上ならポイント還元率が1.5倍、一般的な0.5%還元の加盟店では0.75%還元になるため、優位性は維持できている格好だ。加盟店の店舗数も多いため、この改定で他社にユーザーを奪われる心配は少ないだろう。一方で、dポイントには課題もあった。それがEC店舗への対応だ。

dポイントクラブ ネットでのポイント取得や活用に課題があった

手薄だったEC事業を補うdポイントマーケットをオープン、ランク連動が特徴に

 ドコモのコンシューマサービスカンパニー カンパニーコーポレート部コマース室の森大輔氏は、「dポイントをためる、使える場所として街のお店には一定のご満足をいただいているが、dポイントがネットで利用できるイメージがなく、オンラインでもっと利用できるようにしてほしいというお声をいただいている」と語る。

 ドコモ自身も「dショッピング」や「dファッション」といったECのモール事業を展開しており、ここではdポイントの付与や利用に対応しているものの、その規模は楽天市場を擁する楽天グループや、Yahoo!ショッピングモールを展開するソフトバンクに比べると小さい。Amazonにも対応したが、ポイント付与の条件が厳しく、かつ上限額も小さい。

dポイントクラブ ドコモはAmazonとも提携しているが、ポイント付与の条件が5000円以上となっており、ベースのポイントには1注文あたり100円という制限もある

 そのため、「必ずしも、お客さまのご要望にお応えしきれていなかった」(同)というのが実情だ。その反面、「物販系のECは14兆円まで市場規模が拡大することが見込まれている」(同)。上記のようなモール事業だけでなく、メーカーや小売りなども、ユーザーに直接商品を届けるため、ECを活用しており、こうしたサイトも「今後成長していくことが見込まれている」(同)。ここに対応するため、ドコモが新たに立ち上げたのが、dポイントマーケットだ。

dポイントクラブ 10月8日に、dポイントマーケットを開始する

 dポイントマーケットはアフィリエイト型のサービスで、いわゆるポイントサイトと呼ばれるような部類のもの。自社で加盟店に販売する場を与えるモール事業とは性格が異なり、加盟店の広告的な色合いも濃い。ユーザーが、そのサイトを経由して買い物をするだけでポイントが付与されるのが特徴だ。10月8日のスタート時点では、150の加盟店がそろう見込みだ。

dポイントクラブ ドコモ自身が手掛けるモールではなく、アフィリエイト型のポイントサイトとして運営する

 特徴的なのは、先に挙げたdポイントクラブの会員ランクとポイント付与率が連動するところにある。上乗せ分は、「2つ星」で1.5倍、「3つ星」「4つ星」で2倍、「5つ星」で3倍。ベースポイントは0.5%のため、それぞれのランクの還元率は0.75%、1%、1%、1.5%になる。ランク別特典が反映されるのは、あくまでベースポイントの0.5%に対してだが、家電やファッションアイテムなどで購入金額が大きくなる場合には、その影響が大きい。

dポイントクラブ dポイントクラブのランクに応じて、ポイント付与率が変動する仕組みだ

 こうしたポイントサイトは、ドコモも「d払い ポイントGETモール」を運用しているが、dポイントマーケットとのかぶりもあるため、10月22日にサービスを終了する。また、d払い ポイントGETモールは「決済手段をd払いのお客さまに閉じていた」(同)が、dポイントマーケットは、一般的なポイントサイト同様、決済手段は問わない。クレジットカードや、他社のコード決済サービスなども利用可能だ。ポイントサイトを拡大することで、ECのニーズに応え、経済圏を拡大するというのがドコモの考えといっていいだろう。

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