では、いくつかベーシックな作例を出しておこう。
超広角カメラで虎ノ門ヒルズ。
続いて、Fusionカメラでパブリックアートを。
まあ、どっちもよく写ります、ってことで。
続いて室内ならちょっと差が出るかな、ということでくつろいでたイヌを2x望遠で。
室内でも差はほぼ出なかった。
前述した通り、iPhone 16はProモデルと同様にマクロ撮影が可能となった。
Fusionカメラは、あまり近いとピントが合わなくなる(最短撮影距離が短い)。対して超広角カメラは極至近距離までピントが合う。
そこで、Fusionカメラでピントが合わない距離まで近づくと、画面に「マクロ」アイコンが出て、カメラが超広角カメラに切り替わるのだ。
そして、超広角カメラのデジタルズームでFusionカメラと同等の画角にして撮影するのである。
カメラ自体の性能はFusionカメラの方が高い上に、超広角カメラ+デジタルズームになることで、画質はちょっと落ちる。だからマクロモードを嫌う人もいる。
でも、被写体に数cmまでググっと近寄れるのはでかい。
画質的にはiPhone 16 Proの方がセンサーが約4800万画素になっただけのことはあるのか、ディテールの描写が自然だ。
ただ、ここでiPhone 16 Proの欠点が1つ出てしまった。Fusionカメラからマクロに切り替わるときの“距離”だ。
iPhone 16 ProのFusionカメラの方が最短撮影距離が長い――つまりiPhone 16よりちょっと早い段階でマクロモードに切り替わるってしまうのである。
iPhone 16だと約15cmくらい、iPhone 16 Proだと約20cmくらい。
下は、カメラをちょっとずつ近づけながら、マクロモードに切り替わる直前で撮ったもの。これを見ると差が分かる。
ちなみに、わたしは「マクロモードに切り替えたくないな」というときは、2xで撮るようにしている。その方が形もきれいに撮れるし、背景もすっきりするしね。
料理を撮るときは、皿に近づきすぎるとマクロモードになっちゃうので、それなら少し離れて2xで撮った方がお皿の形もきれいに撮れていい。マクロ撮影よりも2xにするのがおすすめだ。
実は、最短撮影距離でもっと気を付けなければならないのが、iPhone 16 Proの5x望遠カメラ。これがまた、撮影最短距離がけっこう長いので、ちょっと近いものを望遠で撮ろうと思うと、Fusionカメラの5xズームになってしまうのだ。
マクロ時と違って、画面に何の警告もアナウンスもなく切り替わるので、クオリティーにこだわる人は要注意。
今回、どちらも5xにセットして撮影したが、片方はFusionカメラの5xデジタルズームだった。ほんのちょっとの距離の違いだ。
5x望遠カメラのプリズムを4つ使うという構造だと撮影最短距離を短くするのは難しいのかもしれないが、ちょっと残念である。
と、ちょいと不満点も書いたが、基本画質自体は相変わらずのハイクオリティーを保っている。超広角カメラもFusionカメラも、iPhone 16 Proの方が高性能なものを使っているけれども、実使用上では両者の差はあまり感じないと思う。
となると、5x望遠が必要かどうかってことになるかな。カメラコントロールの話とマクロの話で長くなっちゃったので、ポートレートや新しいフォトグラフスタイル、そして動画の話は後編で。
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