Xiaomi 15はグローバル展開するサムスン電子の「Galaxy S」シリーズにぶつける端末なだけあって、完成度は非常に高いと感じた。今回はデザインもより洗練され、5400mAhの大容量バッテリーを採用していることもあり、他社の製品と比較しても存在感を示している。
対抗機種は中国メーカーの機種群よりもiPhoneやGalaxyであることが明白だ。ベースカラーのパステル調グリーンや、今回レビューのパープルはいままでのXiaomiシリーズにはあまりない路線。強いていえばグローバル市場に本腰を入れた「Xiaomi 12」以来の路線だ。
これはiPhoneやGalaxyをかなり意識していることへの表れであり、発表会を見た印象も明らかにGalaxyに寄せてきた内容だった。
Xiaomi 15はiPhoneやGalaxyに負けないデザイン性を持ち合わせたところに「最新プロセッサ」「大容量バッテリー」「ライカ監修カメラ」で差別化を図ったといえる。特に6.31型のディスプレイ、横幅71.2mmというサイズのライカ監修スマホは他になく、これはコストパフォーマンス重視のXiaomi 14Tシリーズにもない特徴だ。
それでありながら、価格はお手頃だ。Galaxy S24が799米ドル(12万円前後)、上位モデルのS24+が999米ドル(15万円前後)だが、中国向けのXiaomi 15は4499元(9万5000円)から、Xiaomi 15 Proが5299元(約11万1000円)からに価格を抑えた点は好感が持てる。これでも前作から1万円近く値上げしており、背景にはプロセッサ調達価格の高騰があるようだ。
さて、これからのXiaomiのスマートフォンの展開にもますます目が離せなくなった。今回のXiaomi 15シリーズは例年通りならグローバル展開も行う予定だ。Xiaomiがライカのブランドを引っ提げての世界展開も間もなく3年目となり、同社のスマートフォンが「カメラ性能が高い」と着実に印象づけている。
Xiaomi 15はその最新作ということで、しっかりと作り込まれているのが分かる。テレマクロ機能を持つライカ監修カメラの存在はもちろん、大容量バッテリーや卓越したデザインなど、これからのトレンドをけん引する一角となりつつあるように感じる。
また、日本でも本機種を含めた6.3型クラスのXiaomiハイエンド機を求める声が多くあり、Xiaomi JapanがXで集計したアンケートでは「Xiaomi 14シリーズの後継機種」を求める声が多くを占めた。これは2023年発売して話題を呼んだXiaomi 14 Ultraの存在が大きいが、日本でもハイエンド機を継続して出してほしいという関心度の高さの表れだ。
スマートフォン世界シェア3位のXiaomiが出してくる「安い」だけではなく、他社のハイエンドモデルにも全く引けを取らないプレミアムなスマートフォン。日本での展開も含めて、今後の機種にも目が離せない。
●著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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