ドコモとモトローラが18年ぶりにタッグを組んだワケ シェア急拡大で2025年度は“2倍成長”を狙う石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2024年12月17日 11時43分 公開
[石野純也ITmedia]
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日本市場で急拡大するモトローラ、25年度の倍増も可能か?

 レノボ傘下になって以降のモトローラは、当初、オープンマーケットを中心にじわじわと成長を続けてきた。その拡大を加速させる契機となったのが、ソフトバンクやそのサブブランドであるY!mobileでの販売だ。モトローラのアジア太平洋地区 エグゼクティブディレクター兼モトローラ・モビリティ・ジャパン統括のプラシャンス・マニ氏によると、日本では2022年度から2024年度にかけ、販売台数は3.5倍に急増したという。2025年度は、「モトローラのビジネスをさらに2倍にしたい」(同)と語る。

motorola razr 50d ultra 日本市場では、2年で3.5倍に販売台数が拡大した

 この成長率は、マニ氏がカバーするアジアパシフィック地域全体の平均を上回っている。同氏によると、2024年度第2四半期は、アジアパシフィック地域で出荷台数が178%増を記録。収益面では、284%と大幅に拡大したという。マイナス成長から回復した世界のスマホ市場だが、その成長率は以前に比べると鈍化している。このような環境で約1.8倍にも出荷台数を伸ばしたのは異例のこと。日本市場でのこの2年間の伸びはそれをも上回っている。

motorola razr 50d ultra 日本を含むアジアパシフィック地域は、第2四半期に178%出荷台数が拡大。特に伸びしろが大きいため、同社の注力地域の1つになっている

 7月に開催された発表会でその理由を問われたモトローラ・モビリティ・ジャパンの代表取締役社長(当時・10月に退任)、仲田正一氏は、「市場のさまざまなニーズをつかんだ商品をご提供できたことが一番の理由だが、加えて、パートナーのソフトバンクにも、ソフトバンク、Y!mobileの両ブランドでたくさん販売していただけた」と語っていた。ラインアップの拡大に加えて、ソフトバンクの取り扱いが増加したことで販売台数が倍々ゲームで増えているというわけだ。

 2024年は、ここにドコモのrazr 50d分が上乗せされた形になる。2年連続で高い成長率を維持できている背景には、こうした販路の多様化があると見て間違いないだろう。モトローラ・モビリティ・ジャパンでマーケティング部長を務める清水幹氏は、razr 50dの販売台数が「これまで見たことがない規模になる」と語る。具体的な数への言及は控えたが、キャリア最大手のドコモが端末を販売する影響は大きい。マニ氏の挙げた2年で3.5倍という数値を見ても、そのインパクトがうかがえる。

motorola razr 50d ultra 清水部長は、ドコモの取り扱いによって販売台数がこれまで見たことがない規模になると語った

 プレミアムモデルをスタイリッシュな縦折りのフォルダブルスマホに絞り、いち早くその価格レンジを広げたモトローラの戦略が奏功した格好だ。モトローラは、9月からタレントの目黒連さんを起用した大規模な広告キャンペーンも展開しており、その知名度を急速に上げている。これも、ドコモとソフトバンクの両方で取り扱われることを想定し、認知度獲得のアクセルを踏んだとみていいだろう。

motorola razr 50d ultra キャンペーンの成果で、認知度も急上昇している

 12月にIDC Japanが発表した2023年度第3四半期の出荷台数調査では、モトローラ(調査ではレノボと記載されている)が8.9%のシェアを獲得し、3位のGoogleに1.1ポイント差まで迫っている。マニ氏の予測通り、2025年度も販売台数を倍増できれば、トップ3入りも見えてくる。

motorola razr 50d ultra IDC JAPANが12月に発表した「2024年第3四半期 国内スマートフォン市場 出荷台数・ベンダー別シェア」。モトローラは3位につけている

 とはいえ、ドコモでの販売という大きなカードを切ったばかり。ここからさらに2倍に規模を拡大するハードルは高い。裏を返せば、KDDI、楽天モバイルでの販売開始や、ドコモでのラインアップ拡大など、これまで以上に積極的な手を打ってくる可能性がある。その意味で、モトローラは2025年のスマホ市場で台風の目になりそうな1社といえそうだ。

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