アップルがグーグル「独占禁止法違反裁判」に介入へ――Geminiの登場でグーグルはビジネスモデル変更を余儀なくされる石川温のスマホ業界新聞

» 2024年12月29日 16時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 アップルは、グーグルと米司法省の間で争われている検索についての独占禁止法違反裁判への参加の意思をコロンビア特別区連邦地方裁判所に表明した。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2024年12月21日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 グーグルはアップルに対して、iPhoneの検索サービスをグーグルに初期設定している対価として、2022年に200億ドルを支払ったとされている。アップルにとって、重要な収益源であるため、今回の裁判を無視できなかったようだ。

 実際、グーグルに対しての是正案には、Chromeの分割やAndroidの売却だけでなく、アップルとグーグルとの対価契約を禁止する内容も盛り込まれているとされている。

 確かにアップルにとって、グーグルからの収入が重要ではあるが、これがいつまで続くかは不透明になりつつある。

 ここ最近、ChatGPTなどが検索機能を強化し始めており、将来的にはブラウザからの検索ではなく、生成AIサービスからの検索にシフトしていく可能性が見えてきた。

 iPhoneに関しても、Apple Intelligenceによって、今後はSiriに調べ物を尋ねるという機会が増えてくるだろう。その際、オンデバイスでは回答できないものに関しては、ChatGPTに投げるという仕組みになっている。

 アップルとしてはブラウザではなくSiriから検索されれば、グーグルに送客しなくなっていくわけで、いずれ検索に対する対価を得られなくなっていくことは明らかだ。

 iPhoneだけでなく、AndroidにおいてもGeminiが使われていけば、広告を掲載する機会が減っていくだけに、グーグルの主軸である広告事業に影響を及ぼしかねない。

 Google I/Oの幹部パネルセッションで「生成AIの台頭によって、グーグルの広告事業に影響はないのか」という質問が出ていたが、その際、担当者は「生成AIで検索をすれば、それだけウェブにアクセスする回数が増え、結果として広告表示は増えるようになる」と語っていた。

 ただ、これまでは自分の知りたいことを調べまくって、様々なウェブページを回遊。結果として様々な広告が表示されることで、グーグルは潤っていた。

 しかし、Geminiが出てきたことで、広告は表示されなくなり、ユーザーはピンポイントで疑問を解消できるようになりつつある。

 米司法省がグーグルのビジネスモデルに介入しなくても、生成AIの台頭によって、グーグルは広告事業への依存から脱却せざるを得なくなっているのは間違いないだろう。

© DWANGO Co., Ltd.

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