最後は、最近競争が激しい月30GB前後の容量帯の比較です。
IIJmioは今回のプラン改定で月25GBが月額2000円、月35GBが月額2400円になりました。この容量帯では月30GBと5分かけ放題で月額2970円のahamoやLINEMOが人気ですが、IIJmioも十分対抗できる料金になったと思います。IIJmioは「料金にかけ放題が含まれていない」「昼や夕方に速度が遅くなる」といった点はデメリットですが、「データが繰り越せる」「容量を毎月変更できる」「基本通話料金が税込11円/30秒と安い」などのメリットもあり、IIJmioの方がお得という人も多いでしょう。
一方、mineoの20GBコースは月額2178円と、日本通信(20GBが月額1390円)やIIJmio(25GBが月額2000円)と比べると、それほどお得には見えません。ただし、20GBコースの契約者はmineoスイッチをオンにすれば容量を消費せずに最大1.5Mbpsで通信できる「パケット放題 Plus」が無料で使えます。1.5Mbps程度の速度が出ればYouTubeも標準画質で詰まらずに視聴できます。よって、mineoの20GBコースは月20GB使う人向けというより、動画視聴などでデータをたくさん消費する人にお得なプランといえます。
スマホキャリアを選ぶ際には、料金以外にも検討すべき点があります。
特に注意すべきは通信速度です。ahamo、LINEMOなどのオンライン専用プランや、Y!mobile、UQ mobileなどのサブブランドは大手キャリアと同じ通信品質で、1日中快適に通信できます。一方、IIJmio、mineo、日本通信などのMVNOは昼や夕方に速度が遅くなる場合があります。
ただ、筆者は自身の運営サイトで各キャリアの通信速度を毎月測定しており、以前はMVNOは昼12時台に1Mbps以下になることがほとんどだったのに対し、最近は2〜3Mbpsは出るようになりました。2〜3Mbpsほど出ればYouTubeなどの動画も詰まらずに視聴できるので、ほとんどの人は昼でも影響を受けずに利用できます。そもそも、電話、メール、LINEや簡単なアプリの利用が中心のライトユーザーはそこまで速度は必要ありません。MVNOは速度が遅くなる分だけ価格が安いので、自分に必要な速度と料金のバランスを検討しましょう。
IIJmioやmineoでは余ったデータ容量を翌月に繰り越せます。繰り越しデータがたまってきたら、1つ小さい容量のプランに変更することで、料金を抑えることも可能です。
さらに、IIJmioにもmineoにも低速モードがあり、音楽ストリーミングやラジオ視聴時に低速モードをONにすれば容量を消費せずに通信できます。こういったMVNO特有のサービスをうまく活用すれば、料金が他社より高くても、実際にはお得になる場合も多いでしょう。
また、スマホキャリアの契約時は必ずキャンペーンを確認してください。IIJmioは常時お得なキャンペーンを実施しており、契約から一定期間は基本料金や通話オプションが割引されたり、データが増量されたりすることも多いです。MNPならスマホが110円から買えるスマホセールも人気ですね。
mineoはキャンペーンの実施頻度は少ないものの、現在は6月3日まで月20GB以下のコースならどれを選んでも料金が最大6カ月間、月額990円で使える「春のマイネオ割」を実施しています。このようなキャンペーンを含めれば、キャンペーンをあまり実施しない日本通信やahamoよりもお得な場合もあります。
スマホキャリアは料金だけでなく、付加サービス、キャンペーン、サポートなどさまざまな検討ポイントがあります。自分に合ったキャリアを選ぶために、まずは自身の日頃のデータ使用量、通話時間や重要視するポイント/しないポイントをしっかり把握することが大切です。
シムラボ
「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。
IIJmio「ギガプラン」を改定した理由 社長の後押しで“サブブランドの30GB帯”とも真っ向勝負
IIJmio、データ増量も値下げ 「利用量の増加」を受け、ギガプランの一部を改定
mineo「50GBコース」新設の背景は? 大手キャリア30GB化の影響は大きく受けず
mineo、「マイそく」プレミアムの通信速度を3Mbps→5Mbpsに変更 平日昼間は200kbpsに
mineo、月額2948円で50GBのプランを追加 1.5Mbps使い放題/夜間使い放題のオプション込みCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.