IIJmio「ギガプラン」を改定した理由 社長の後押しで“サブブランドの30GB帯”とも真っ向勝負

» 2025年02月19日 12時37分 公開
[田中聡ITmedia]

 IIJ(インターネットイニシアティブ)が2月18日、モバイルサービスに関する近況をメディアに披露した。ここでは、その中から個人向けサービス「IIJmio」の2024年度の動向についてお伝えする。

IIJmio IIJmioにおける2024年度の主なトピック

既存ユーザー向け「mio優待券」「家族割引」「長期利用特典」が好調

 2024年度のトピックの1つとして、既存ユーザー向けの施策が挙げられる。2024年6月21日に、機種変更するスマートフォンを安価に購入できる「mio優待券」の配布を開始。これまで12機種で実施しており、約2500台で使われたという。mio優待券の配布前に比べて、2台目のスマホを購入する割合が増えており、今後はさらに対応機種を拡大していくとのこと。

 IIJmioといえば、MNPを対象とした端末セールのインパクトが大きいが、実は既存ユーザー向けにも、端末を安価に購入する施策を実施している。2024年10月に、IIJmio会員限定のオンラインストアを開設しており、スマートフォンやアクセサリーなどを特別価格で購入できる。

IIJmio mio優待券と会員限定オンラインストアで、既存ユーザーも端末をお得に購入できるようにした

 同一mioIDで複数回線を契約している人を対象に、1回線あたり毎月100円(税込み、以下同)を割り引く「家族割引」も2024年10月1日に開始。それ以降、家族割引の対象回線は、2024年10月から2025年1月にかけて118%増加したという。また、複数回線の利用も増加している。IIJmioのギガプランでは、同一mioIDの複数回線でデータ容量をシェアできるので、このデータシェアとの相乗効果も期待できそうだ。

 データ容量プレゼント、SIM発行手数料無料、初期費用割引の特典を提供する「長期利用特典」も、2025年1月23日から提供している。2025年2月17日時点で、1GBクーポンの発行数は約15万1300枚、無料SIMの交換申し込みは約2300件、初期費用割引の申し込みは約3800件に及ぶという。

IIJmio 家族割引や長期利用特典の成果も出ている

 2025年2月18日には、以前から要望の多かったという「名義変更(回線譲渡)」の受付を開始。家族個別に契約していた回線を1つに名義にまとめたり、子どもが独立したので名義を分けたりすることができる。

「ギガプラン」改定 主力の5GBを強化、社長の後押しでサブブランド対抗も

 そして直近のトピックが、3月1日から適用するギガプランの改定だ。音声SIMについては、5GBを990円から950円に、10GBを1500円から1400円に月額料金を値下げする。20GB〜50GBは、それぞれ5GBを増量し、30GBは2700円から2400円に月額料金を値下げする。これらの改定は既存ユーザーにも適用される。

IIJmio ギガプランで値下げとデータ増量を行う

 ギガプランでは、2024年1月から2025年1月にかけて、5GBの申し込みが37%から52%へ増加した。これにより、これまでは2GBの契約が最多だったところ、5GBが最多となった。そこで2GBの料金は据え置きにし、5GBを値下げした。

IIJmio 現在は5GBを選択しているユーザーが最多となっている

 MVNO事業部 コンシューマサービス部長の亀井正浩氏は「プラン改定を発表する前から5GBが主力になっていた。(2GBの)小容量で戦うというよりは、(主戦場が)5GB帯以上になってきたと感じている。さらに、新規の獲得を誘引したかったので、5GBと10GBを値引きした」と話す。

 一方、20GB以降の中容量〜大容量については、全体の契約比率は低いが、20GB以上の契約比率が1年間で約20%上昇しており、データ利用量も2024年4月から同年12月にかけて115.2%上昇した。こうしたトレンドの変化を受けて、20GB以上を5GBずつ増量した。さらに、30GBは「サブブランドを意識して値下げしている」と亀井氏。

IIJmio
IIJmio 20GB以上のユーザーも増えており、データ利用量も増加傾向にある

 サブブランドとは、大手キャリアが提供しているY!mobileやUQ mobileなどの安価なサービス。2024年10月以降、ahamo、LINEMO、Y!mobile、UQ mobileなどが料金据え置きで20GBを30GBに増量するなど、30GB帯の競争が激しくなっている。こうした大手キャリアの動きについて、亀井氏は「あまり影響はない」と話す。IIJmioでは小容量が主戦場なので競合する部分が少ないためだが、サブブランドの動きも見据え、そこに対抗する要素も盛り込んだ。

 「プラン改定は社内で上申して決定しているが、勝(社長)にアドバイスを求めたところ、『戦いませんか?』という後押しをいただいた。現場としては足踏みをしていたところはあるが、ちゃんとサブブランドと戦って、新しい顧客を引っ張っていこうと思い、狙って出した」(亀井氏)

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