ニューズドテックは、先週のiPhone16 e発表以降、iPhone SEシリーズの販売台数が前週比260%を超えたと明らかにした。2月の販売ランキングでは、iPhone SEシリーズがトップ3を占めたという。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年3月1日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
世間的にはiPhone SEの正当な後継機種を求めていたが、蓋を開けてみれば画面サイズは6.1インチ、Face IDということで、コンパクトな画面サイズ、さらには指紋認証を求めるユーザーが中古市場に殺到したということなのだろう。
ただ、これがどこまで「コンパクトな画面サイズに根強い人気がある」といえるのか、正直、首をかしげたくなってくる。
過去を振り返ってみると、アップルであっても5.4インチの「iPhone 12 mini」といったようにコンパクトなiPhoneを出した経緯がある。当時、自分も記事で「コンパクトなサイズを求める日本市場でバカ売れしそう」となんて書いたが、結局、大して売れることはなく、iPhone 13 miniを最後に終売となってしまった。アップルとしても「黒歴史」といえるだろう。
iPhoneだけでなく、Androidにおいても、ソニーやシャープはかなり前にコンパクトサイズを出していたが、早々に諦めた感がある。最近もASUSがコンパクトサイズを出したが、結局、定着することはなかった。
一般的なユーザーからすれば、店頭で大きな画面サイズのスマートフォンが並んでいる中、コンパクトなサイズに目がとまっても、なかなか購入する勇気は出ないのではないか。
我々のように複数台、持ち歩いているユーザーが「サブのスマートフォン」としてコンパクトサイズを持ち歩きたいという需要は理解できるが、たった1台、メインの機種をコンパクトにするというのは相当、思い切りが必要だろう。
使い勝手においては、やはり大きな画面を使い始めると、なかなかコンパクトには戻りにくいような気がしている。
一方で「指紋認証が無くなるのは不便」と感じるのは理解できる。画面に埋め込まれた指紋認証というよりも、しっかりとホームボタンがあった上で指紋認証は、操作をしているという安心感につながるからだ。
ただ、アップルとしても、指紋認証よりも顔認証の方が利便性やセキュリティ面でメリットがあると判断しているのだろう。
個人的にも、74歳になる母親にはiPhone SEを買い与えている。シニア層の操作を見ていると、やはり物理ボタンの安心感があるようで、iPhone SEが使えなくなったときに、iPhone 16eに乗り換えても問題ないのか、いまからちょっと心配でもある。
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