iPhone 16eに続き、突如、ラインアップに2機種のiPadが追加された。1つが、無印のiPad(A16)。もう1つが、iPad Air(M3)だ。iPad Airは2024年、iPad Proと同時にiPad Air(M2)が投入されたばかり。発売から、まだ1年もたっていない中での異例のモデルチェンジとなる。iPad Air(M2)から導入された13型版も健在。価格も据え置きで、ストレージの選択肢も変わっていない。では、iPad Air(M3)はどのような端末なのか。実機をもとに、その実力を解説していく。
最も大きく変わったのは、プロセッサがM2からM3へとアップグレードされたことだ。これにより、処理能力が前世代のiPad Air(M2)から底上げされている。ベンチマークアプリ「Geekbench 6」でのスコアは、CPUのシングルコアが3079、マルチコアが1万1807。24年5月に掲載したレビューでは、それぞれ2595、1万66だったので、世代をへた分だけ処理能力が上がっていることが分かる。
GPUも同様だ。iPad Air(M2)が4万1848だったのに対し、iPad Air(M3)では、この数値が4万6192まで向上している。CPU、GPUともに、iPad Air(M2)より高く、特にGPUはどちらかといえばiPad Pro(M4)に近づいていることがみて取れる。実際、アプリの動作も快適でハイエンドのiPadとしては優秀。iPad Air(M2)の販売が終了し、それをiPad Air(M3)が置き換える形になっているが、価格は据え置きのため、むしろお得感は高まっているといえそうだ。
もう1つの大きな特徴は、周辺機器の話になるが、iPad Air(M3)と同時に、Magic Keyboardが刷新されたことだろう。iPad Air用の新しいMagic Keyboardは、ファンクションキーを備えており、キー配列などはiPad Pro(M4)用のものに近い。打鍵感のよさはそのままに、ファンクションキーで各機能をすぐに呼び出せるようになったのが操作上のメリットだ。
ただし、同じくファンクションキーを備えたiPad Pro(M4)のMagic Keyboardを日々使う筆者が、これを利用しているかというと必ずしもそうではない。たまに使うのは消音キーぐらい。画面輝度の調整はそもそもあまりしないほか、検索やアプリスイッチャーはタッチパッドのジェスチャー操作でも呼び出せるため、そちらを利用することの方が多い。
どちらかといえば、このキーが配置された結果として、iPad Air本体とキーが重なってしまう面積が減ったことの方が効果としては大きい印象だ。これによって、キーボードの打ちやすさが向上している。ちなみに、本体そのものの形状は変わっていないため、iPad Pro用のファンクションキーを備えたMagic Keyboardは装着できない。カメラ穴のサイズが異なるため、逆もしかりだ。ただし、iPad Air用Magic Keyboardは過去のiPad Airにも装着は可能。過去機種を使っているユーザーは、このキーボードだけを買い替えるのも手だ。
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