画像生成には、「Image Playground」というアプリが用意されたが、この機能もメモアプリやメッセージアプリなどに組み込まれている。メモアプリでは、手書きでサッと描いた下書きを元にイラストを生成する、「画像マジックワンド」を利用できる。下書きの構図を参考にしながら、テキストで補うことで目的のイラストを生成しやすいUIが採用されている。

Image Playgroundでは、写真やキーワードを選択していくだけで、目的の画像を生成できて直感的だ(写真=左)。メモアプリは画像マジックワンドに対応。下書きのようなラフな絵を、キレイなイラストに変えられる(写真=右)メッセージは「ジェン文字」という形で応用された。これは、生成AIを意味する「Generative」と「絵文字」を掛け合わせたAppleの造語で、文字通り、画像生成機能で新規の絵文字を作る機能だ。作った文字はフォントではなく、あくまで画像だが、絵文字キーボードから呼び出せる。また、メッセージやメールアプリの本文に貼ると、フォントと同サイズになって絵文字のように扱うことが可能だ。画像生成機能をそれとして提供するのではなく、用途に合わせてアプリ内に組み込んでいる点は、作文ツールとの共通点だ。
生成AIになじみのないユーザーに使いやすよう、UIも工夫されている。上記のImage Playgroundは、それが顕著だ。生成AIの画像生成というと、複雑な指示を組み合わせるプロンプトエンジニアリングがおなじみだが、Image Playgroundはあらかじめ提示されたキーワードをタップするだけ。写真をもとに、顔のイラストを作る機能も用意されている。
他にも、メールやブラウザに組み込まれた要約機能や、「写真」アプリの文章を理解できる素早い検索、会話の文脈を理解できるようになったSiriなど、Apple Intelligenceが適用される範囲は多岐にわたる。いずれも、それ単体で存在するものではなく、既存の機能やアプリを生成AIでブラッシュアップするものに仕上げられており、ユーザーが構えることなく向き合うことができる。
iPhoneの使い方が劇的に変わる? 日本語対応した「Apple Intelligence」を試す
2025年は「スマホAIのエージェント化」が進む アプリも巻き込んでエコシステムが大きく変わる予感
「Galaxy S25」シリーズが“Androidを再構築”したといえるワケ GoogleとAI強化も差別化には課題も
「iOS 18.4」リリース 「Apple Intelligence」の日本語対応など多数の新機能
Apple、生成AI「Apple Intelligence」発表 オンデバイス処理でSiriも大幅進化、ChatGPTとも連携Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.